1404~05 尾瀬春スキー

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1404~05 尾瀬スキー

参加者  木邨光宏  益崎健二郎  伊東 毅

4月30日 雨
矢野口(9:40)=調布IC=沼田IC=蕎麦いけだ=鳩待峠 鳩待山荘(泊)
 
 永年の懸案だった尾瀬春スキー、平ヶ岳までは夢のまた夢となってしまったが、山の鼻をベースに至仏山、秘峰赤倉岳、景鶴山をスキーで登ろうという計画。当初28日から行く予定だったが29、30日の天気が悪いということなので、2日遅らせ、30日は鳩待峠まで車で入るだけ、1日に天気を見て至仏山から山の鼻、2日赤倉岳往復、3日下山、景鶴山は省略ということになった。
 したがって出発はゆっくり、小雨の中、矢野口駅に集合。大型連休の谷間で空いている関越を走って沼田ICに昼過ぎ到着、ネットで調べておいた蕎麦屋いけだへ、ロマンチック街道120号線からちょっと入った畑の中の店、3人とも大盛りせいろ、山形のそばを思わせる硬めのそば。味はまずまずで食べログの点数が高いのも頷けるが、応対はそれをちょっと意識した感じでもあった。雨で山は何も見えないが、鎌田から戸倉にかけて桜が満開、家々の庭の花も色とりどり、いい季節だ。鳩待峠の駐車場が満杯になると戸倉から分かれる道脇に情報が出るが、この雨では行く人もないだろう、今日はまったく問題ない。鳩待山荘前の第一駐車場に10台ほど、時間は早いがチェックイン、風呂に入って飲み始める。今回は木邨がジンライムとシーバスリーガル、益崎が薩摩焼酎土竜」、伊東がワインとジンとベルモット、つまみも凝り性、木邨の牡蠣の燻製をはじめ多種多彩。この日の客は我々3人と中高年(高齢者)パーティー8人だけ、夕食後も少し飲んで8時に就寝。

5月1日 晴れのち雨
 鳩待山荘発(7:30)~悪沢岳東(9:20~9:40)~至仏山(10:30~11:10)~至仏山荘(12:05)

 夜も降っていたが明け方になってあがる。片品村のピンポイント予報では9時ごろ晴れ、15時ごろ雨となっている。予定通り至仏山を目指す、朝上がって来たスキーヤー、ボーダー、ツボ足パーティーなどが増えにぎやかになった。シールを着けてゆるい登り、樹林帯を行くと前方に至仏が見えてきた、天気はいい。2ピッチで悪沢岳東の雪原、小至仏は東斜面を大きくトラバース、冬期なら考えられないルートだが、おかげで時間短縮、峠から3ピッチで頂上に着いた。スキーヤー、ボーダーがたくさん来ている。天気はまずまず、風もなく暖かい。尾瀬ヶ原をはさんで燧ヶ岳、その左に会津駒の稜線、平ヶ岳・大白沢の方はガスがとれないが、明日目指す赤倉岳の稜線が見え隠れする。ひと休みして滑降準備、コースは予定通りムジナ沢、頂上から夏道尾根の左側の雪面に出て下を見下ろすと、ムジナ沢上部はずっと岩が露出していて、このまま真っ直ぐは滑れない。ただ一個所、右側夏道尾根に寄った斜面の這松帯に細い雪の帯があり、ここが通れそうだ。行ってみると幅数メートル、狭いところは1メートルの雪の帯が細々とつながっていた。なんとかギリギリ、ここを突破、下の広い雪面に出た。見上げるとムジナ沢上部は岸壁帯が広がっていて、ここが唯一のルートだった。それも雪解けが進んでいて今年はこれが最後のチャンスか、ラッキーであった。頂上に大勢いたスキーヤーやボーダーは誰も来ない、みんな日帰りで悪沢か尾根を鳩待へ戻ったのだろう。ここから先は尾瀬ヶ原まで広い雪面が続いている。雪はザラメ、前日の雨で軟らかいが滑りやすい。写真を撮りながら、快調に滑り、最後は右側の尾根の森林帯に入って右へトラバース、夏道の登り口近くの雪原に出た。山の鼻はすぐそこ、今日の宿、至仏山荘に着いたが早すぎてチェックイン出来ない。天気がいいので小屋前の椅子に座って昼食、残りのワイン、ジンなどを飲みながら、湯を沸かしオニオンスープ、のんびり過ごす。そのうち、どこかで雷の音がして雨が降りだした。3時の予想より少し早い、すぐ本降りになる、早く着いていてよかった。小屋は鳩待山荘より立派、木材をふんだんに使っていい雰囲気、さすがに尾瀬の大地主、東電が作っただけのことはある。今日も風呂に入って、2階の談話室の炬燵に陣取ってドライマテニー、焼酎、シーバスリーガルなどをちびちびと。お客は20人ほどか、一部屋を3人で、小屋もこのくらいゆったり出来るといい。

5月2日 曇りのち晴れ
至仏山荘発(7:30)~柳平先(8:20~8:35)~ススヶ峰南の尾根取り付き(9:00)~ススヶ峰南肩(11:10~11:30)~赤倉岳東コル(11:35~12:00)~赤倉岳東峰スキーデポ(12:30~12:55)~赤倉岳(13:05~13:08)~東峰(13:16~13:30)~東コル(14:00)~ススヶ峰南肩(14:40~15:00)~尾根取り付き(15:35)~至仏山荘(16:50)

 雨は夜も降って、明け方もなんだか湿っぽい。今日はよくなるはずなのだが、山にはガスがかかっている。まあ、そのうちなんとか、駄目なら駄目で仕方がない、行けるところまで。今日の目標は赤倉岳、ススヶ峰から利根源流に突き出した尾根の上のピーク、高さはさほどないが白毛門や朝日方面から見るとしごく立派な山らしい。尾瀬の領域から外れているし、頂上稜線が痩せていて登りにくいなど、秘峰と言われているようだ。昨日と同じ7時半出発、雨っぽいので合羽の上を着て出たが、すぐに上がり、暑くなったので間もなく脱いだ。平らな尾瀬ヶ原を猫又川に沿って北上、川は雪解け水がとうとうと流れている。川が山の裾に近づくと斜面をへつるところもあるが、全体にゆるやかな地形なので問題になるところはない。1ピッチ半で猫又川の二俣、左俣にはスノーブリッジが何ケ所かある。目指すススヶ峰南の稜線から南東に下りる尾根末端に到着、左俣を渡り、左側の沢に少し入って尾根に取り付く。最初少し急だが、短くジグザグ切って登り、尾根の上に出ると、あとはゆるやかな登りが続いている。ススヶ峰南肩まで標高差400メートル、2ピッチ、そこでシールを外し、赤倉岳東のコル目指しトラバース気味に下る。赤倉岳の東面が正面、こちらから見ると無木立ちの広い斜面でおだやかな姿、あの先がどうなっているか。コルから東峰までは標高差180m、ジグザグを切りながら登りきる。その先は少し下ってまた登って頂上、長さ200メートルほどか、この尾根が両側切れ落ち、痩せたナイフリッジになっている。スキーはここまで、ザックと一緒にデポ、木邨、益崎より少し早く着いたので、雪の状態を見に空身で偵察、ストックを1本、コンドルのピックを出してピッケル代わり、雪は軟らかいのでアイゼンは不要、ステップを蹴込みながら一歩一歩慎重に進む。尾根を下りきって登りにかかるところで右側の雪が割れて地面が見えている。そこが通れるかどうかが心配だったが、近づいてみると左側が細々とつながっている。これなら何とかなると、元気を取り戻して一旦デポに戻ると、木邨、益崎はもうここでいい、高さもあまり変わらないし、登ったことにしようと言う。雪は安定しているから、見かけより危なくないと説得したが、少し行ったところでやっぱりやめるというので、しかたなく一人で行くことにした。さすがに少し緊張するが、雪の上の技術はまだ錆びついていないようだ、何よりステップをしっかり作れるのが安心、コルを越え急な雪面を登って、頂上に着いた。西側にはタンネの木立ちがあり、見通しは効かない。写真を2枚撮って、すぐ戻る。帰りも慎重に一歩一歩、往復20分くらいだろうか、デポに戻った時は久々の緊張でのどが渇いていた。何はともあれ秘峰、赤倉岳の頂上をゲット、木邨、益崎も東峰とは言え頂上に登ったも同然ということで満足すべき成果と言える。軽く腹ごしらえして、帰途につく。コルへの下りは快適な斜面、気持ちよく滑って、コルでまたシールを貼り、ススヶ峰南肩目指して最後の登り。天気はすっかり回復して至仏にかかっていた雲もとれて、ムジナ沢の上部、昨日のルートが良く見える。1ピッチで南肩、ここからは下り一方、ザラメ雪の林間滑走、35分で尾根末端到着。あとは平らな雪原、ほんのわずかだが下っているので、スキーは滑るのだが、山の鼻までは長かった。至仏山荘に着いたのは16時50分、小屋の人が外に出て迎えてくれた。老人3人のパーティーがちゃんと帰ってくるか心配してくれたのだろう。夕食が17時からだから、ぎりぎりセーフ、汗をかいているので先に風呂、ざっと流して食堂へ。生ビールで乾杯、目的達成を祝う。7時半に出て16時50分帰着だから、9時間20分、休憩時間が2時間余りあるので正味は7時間強かな、それでも長かった。ロートルには限界、特に後半ばててくるとスピードが落ちるので余計長くなるようだ。飯を食って部屋に戻って残りの酒を飲む、ジンとウイスキーは少量で長持ちするので山には向いている。春の雪でシールがぐっしょり、水が垂れるので窓の外にぶら下げたまま寝る。

5月3日 晴れ
至仏山荘発(7:30)~川上川1450m付近(8:15~8:30)~鳩待峠(10:05)=戸倉=老神温泉湯元華亭=沼田そば源=沼田IC=調布IC=矢野口駅

 天気がよくて冷え込んだので、朝起きたらシールが少し凍っていた。今日もまた同じ時間に出発、川上川にそってゆるやかに登って行く。今日から連休後半なので上から続々人が来る。ほとんどがツボ足、軽装が多い。鳩待峠までの道は雪の融け方によって変わるようだ。一カ所スノーブリッジがなくなった川にぶつかって逆戻りさせられた。ゆっくり、のんびり登って10時過ぎ鳩待峠着。駐車場は満杯、家族連れなどが大勢来ていた。ここの駐車料金は初日2500円、2日目以降1000円と高いので、どこかで徴収されるだろうと思ったが、どこにも関所らしきものはなく、そのまま戸倉への道を下ってしまう。下っている途中でワイパーに紙が挟まっているのに気付いて、見ると鳩待峠の休憩所に払いに来るようにと書いてある。紙が小さくて気づきにくかったのだが、このまま払わずに帰るのも後味が悪いので、戸倉の尾瀬林業の事務所に行って、3日分4,500円を払った。戸倉にも日帰り入浴施設があるが、鳩待山荘に老神温泉の日帰り温泉のパンフがあったので、そちらに行ってみる。老神温泉は有名だが行ったことがない、何もないところじゃないかと思ったが、片品川の渓谷沿いに旅館・ホテルがたくさん並んでいる。新緑の渓谷がきれいで、秋の紅葉もよさそう、何となく納得。パンフの温泉は湯元華亭という、新しそうな建物で風呂は広く、露天風呂もいくつか、お湯は透明、無臭、700円だからまあまあかな。着替えてさっぱりして次はそば、行きに寄った「いけだ」は道路に車があふれている。連休で客が殺到して駐車場に入りきれない車が順番待ち。その手前にあった「そば陣」も車が満杯だった。こっちはあまりに評価は高くないのだが、連休で街道沿いはどこも大賑わいということ、順番待ちの行列はご免こうむる。次は沼田市内の「そば源」へ、こちらもネットに載っていた店、沼田城址の山の下、街道沿いではないのでどうかと思ったが、車はなんとか駐められた。店内はちょっと変わった作りで蕎麦屋らしくない。それほど混んでいるように見えないが、そばが出てくるまで結構待たされた。今日も大盛り、細めのそばで味はまずまず、そば湯が美味しい、おろししょうがを入れると風味が増してさらに美味しい。そば湯で満足して帰る。連休だが逆方向なので渋滞なし、16時過ぎ矢野口駅着、解散。

 日程を2日ずらしたのは正解、景鶴を省いたのも大正解、初日至仏に登り、山の鼻に入るのは結構なアルバイト、翌日赤倉岳行ったら疲労困憊で、景鶴はどのみち登れなかっただろう。鳩待山荘に泊まって余裕を持って至仏に登るのは高齢者登山にふさわしい。赤倉岳はぎりぎり、疲れたけれど、なんとか登れてよかった。尾瀬の春スキー初体験、成果もあり、楽しかった。