1010 南ア塩見岳

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1010 南ア塩見岳

参加者  木邨充宏  伊東 毅

10月12日
 矢野口駅(7:10)=調布IC=松川IC(10:30)=鳥倉林道ゲート(11:30~12:00)~鳥倉登山口(12:40)~豊口山尾根・昼食(13:05~13:30)~豊口山コル(14:05)~2240m先コル(14:20~14:40)~水場(15:00~15:15)~三伏峠(16:05)冬季小屋泊

今年の秋山は木邨の希望もあり南アの塩見岳、1年の秋山縦走は大無間から三伏峠までで塩見が残っているとか、伊東も三伏からは登ってないので、ごく普通のルートだが余裕を持って三伏から2泊3日で目指すことにした。いつも通り矢野口駅集合、平日なので中央道はすいている。いい天気で伊那谷に入ると南アの山波が見えてくる。手前に仙丈が大きい、その向こうに間ノ岳、農鳥、それに塩見もよく見える。松川ICから伊那大島の駅を通って天竜川を渡り、小渋川沿いに大鹿村、秋葉街道に出る。大鹿村の集落から急坂を登って鳥倉林道に入るが、よくこんな急な山肌に人が住んでいると思うようなところだ。道は舗装されて走りやすい、鳥ケ池キャンプ場の入り口を過ぎて間もなく、林道ゲート、広い駐車場にすでに11台の車があった。ここから歩き、南面の林道で日差しがあるが、そう暑くなかったので助かった。約40分で鳥倉登山口、ここも広場になっていて、かつては路線バスが来ていたそうだ。休まずにそのまま山道に入り、やや急な登り、きれいなカラマツの林を抜け、豊口山の尾根に出たところでひと休み。軽く昼飯を食べ、この上はだらだら登りで豊口山のコルから尾根の北面のトラバース道に入る。このトラバースの途中に水場がある。三伏峠には水がないので今晩と明日用の水をここで確保、重くなった荷物を背負って残り40分の登り。予定通り午後4時過ぎ三伏峠小屋に到着、大きな小屋だがもう閉まっていて、別棟の一部に冬季小屋が開いている。もともと幕営のつもりで4人天を担いできたが、冬季小屋をのぞいてみたら、だれもいないし、割ときれいで快適そうなので、ここを使わせてもらうことにした。すぐ前が広いテント場になっていて、そこにぽつんと小さなゴアライトが一張り、単独の若い女性がいた。明日塩見往復してそのまま帰るということだった。登山口の11台の車は三伏峠までの間に下りてきたのが4パーティー、残り6パーティーは塩見小屋泊まりらしい。冬季小屋は広さ8畳+3畳ほどの2部屋?茣蓙が敷いてあり、大きな窓が開いているので明るくていい。この辺は冬でもそれほどの積雪にならないのだろう、入り口も余り高くない。銀マットを敷いてサーマレストを広げて、備え付けのコンロ台を使って炊事、やりながら一杯。まずはワイン、つまみはリッツにチーズ、切干大根、ナッツなど乾きもの。焼酎のお湯割りに続いてメインディッシュはタンシチュー、木邨があらかじめペミカン状に下ごしらえしてきたものにハムみたいな半生スライスのタンを入れる。一見まがいもの風だが、味はまあまあ、山の料理としては上々の部類。夜は#3のシュラフシュラフカバー、ダウンのインナーの上を着て寝た。最初ちょっと寒かったが、途中から気温が上がって暖かくなってきたので妙だなと思ったら、雨が降り出した。結構激しい雨で、これは明日どうなるのだろうと心配になる。それにしても、こんな雨が降るとは小屋を使えて助かった、感謝しながら眠る。

10月13日
 起床(4:00)出発(6:00)~本谷山(6:55~7:10)~権右衛門沢ゴーロ(8:20)~塩見新道分岐(8:40)~塩見小屋(8:55~9:10)~塩見岳東峰・昼食(10:10~11:30)~塩見小屋(12:05~12:25)~本谷山(13:40~14:00)~旧三伏小屋跡水場(14:30~14:40)~道間違える~三伏峠小屋(15:40)

雨は未明にやんで朝は雲ひとつない快晴、ゴアライトのメッチェンは暗いうちに出て行ったようだ。われわれはもう1泊するのでゆっくり、サブザックに日帰り装備をつめて出発。樹林帯から三伏山に出ると塩見がくっきり、左に白根三山、甲斐駒、仙丈、もっと左に中央アが駒から越百まで、さらに南に三伏峠から荒川三山と豪華な展望が拡がる。本谷山は樹林帯の大きな山、頂上だけ開けて展望がきく。塩見が一段と大きくなった。本谷山の先のコルはゆるやかな地形でここから権右衛門沢は簡単に行き来出来そうだ。コルからは権右衛門山の山腹をトラバース、1ピッチで権右衛門沢の源頭、ゴーロと言うところに着く。水はなく、傾斜がゆるい沢なのでここも楽に登り降り出来そうだ。夏山に大井川西俣から権右衛門沢を通って塩見に登り、蝙蝠の尾根を下りるというプランを考えているのだが、このあたりは問題なさそうだった。ゴーロからひと登りで三峰川からの塩見新道との分岐、そのすぐ先の尾根上に塩見小屋がある。小さな小屋だがまだ営業している。昨日泊まった人たちはすでに下山して、この上には例のメッチェン一人だけのはずだ。塩見小屋から塩見岳は午前中逆光になるが、前衛峰を従えてなかなか迫力がある。ひと休みしていよいよ塩見の登り、途中の尾根で雷鳥を発見、親鳥が1羽で子どもが2羽だろうか、あまり逃げないので写真を撮るのにちょうどいい。そうこうしているうちに、上から鈴の音がして例のメッチェンが下りてきた。今朝は5時に出たのだそうでまだ10時前、これから十分下まで下りられる。この先塩見沢のつめあたりから岩場が続く、道はしっかりしているが結構な傾斜で人が多いときは人為落石が怖いところだ。小屋から1時間で頂上、西峰に三角点3046,9mがあり、東峰はちょっと高い3052m。東峰の上で昼食、風弱く日が当たって暖かい。湯を沸かしスープを作る。雲が少し出てきたが相変わらず快晴、蝙蝠の尾根がよく見える。蝙蝠岳はゆるやかで優美な三角錐、その先徳右衛門から二軒小屋までが長そうだ。1時間ゆっくりして下り、来た道をそのまま戻る。塩見小屋でひと休み、雲が出て、塩見にガスがかかりだす。小屋番の人たちが屋根に干した布団の取り込みに追われていた。本谷山の前後、林の中にきのこが出ている。倒木に白い小さめのがびっしり、食べられるか分からないので手を出さず、写真に撮る。さらにコメツガの根元に茶色のきのこが群生しているのを発見、ならたけともちょっと違うが、これは食べられそうなので採集して持って帰る。本谷山を越えたところのコルから旧の三伏小屋跡への道に入る。今晩の水を確保するためで、道はまだしっかりしている。三伏小屋跡はすぐ横をきれいな水が流れ、のどかないいところだが幕営も禁止。峠の小屋との立地の差で立ち行かなくなったのだろうが、もったいない場所だ。水をたっぷり汲んで峠に戻る。ところがこの途中で道を間違える。沢沿いから左に向かうしっかりした道があり、三伏沢の方は一見道に見えないところで、どちらかと迷って木邨が左の道へ、伊東は三伏沢へと別れて登る。そのうち三伏沢の方にも道が現れ、これはこっちが正しいと思ったが、木邨とはすでに連絡がつかない。いずれすぐ一緒になるだろうと思ってそのまま進んだが、全然その気配がない、よくよく地図をみると木邨の行ったのは烏帽子の方へ行く道で、稜線で縦走路に出るが相当遠回りになる。峠のすぐ近くで縦走路との分岐まで来てコールをかけるが応答なし、仕方がないのでそこでしばらく待つ。日が翳って寒くなってきた。30分ほどたって、ようやく縦走路の方から木邨が現れた。烏帽子に登る途中で気がついて、山腹をトラバースして縦走路に出たという。やれやれ、とんだ道迷い、早く地図を見ればいいのに気がゆるんでいる。15分のところを1時間かけて峠の小屋へ戻ってきた。小屋に着くと中に一人相客が入っていた、ちょっと仕切られた狭い方、3畳ほどの部屋に入ってくれたのでこちらのスペースは変わらない。夕食は菜飯と味噌汁、帰りに採ったきのこを少し入れてみる。味はまあ普通のきのこ、たくさんあるが今晩は少量にして様子を見ることにした。ワインと焼酎、今回は少なめだったのでほろ酔い程度、このくらいでいい。今晩も寒いかと思ってダウンのインナー上下を着たが、暑すぎて全部脱いでしまった。

10月14日
 出発(7:40)~水場(8:15~8:25)~鳥倉登山口(9:40~10:00)~林道ゲート(10:40)=鹿塩温泉山塩館=塩の里=松川IC=調布IC=矢野口駅解散

今日も天気がいい、昨日の相客は暗いうちに出て行った。昨日食べたきのこは特に問題ないようなので、今朝はラーメンに入れる。今日は帰るだけ、ゆっくり支度してゆっくり出発、出るとき小屋にあった善意の箱というのにほんの気持ち入れてきた。2ピッチ2時間で登山口、林道を40分でゲートに着いた。下りて小渋の湯は休みだということなので鹿塩温泉の山塩館に行く、2時まで入浴可で600円、内風呂だけだがきれいで誰もいないのがいい。すぐ下の塩の里という小型の道の駅みたいなところの食堂で鹿の焼肉定食、鹿が増えすぎて困るので猟をしているようだが肝心の猟師が高齢化でいないらしい。赤身でやや固く砂肝のよう、味はあっさりしている。となりの売店をのぞくと山で採れたきのこを売っていた。マツタケ大1、小2入って3000円を買う、今年は豊作で安いらしい。木邨も天然なめこなど購入、それぞれ土産にする。今回は天気に恵まれ、いい山登りが出来た。塩見は見た目も立派、そこそこ岩っぽいところもあり、なかなかいい山だ。帰ってインターネットのきのこ図鑑を見たがよく分からない。白いのはスギヒラタケ??だとすると食べた人が脳症を起こした例があるとかで話題になった、毒きのこに分類されている。茶色の方はもっと分からない、ナラタケモドキ??まあ毒ではないようだが、こうしてみると分からないきのこが多いから、はっきりしないのは食べない方がよさそうだ。