剣岳北方稜線2

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剣岳北方稜線2


8月2日 起床(4:00) 出発(5:40)~仙人峠(6:15)~仙人新道中間ベンチ(7:07)~二股の橋(7:50~8:05))~ハシゴ谷橋(8:50~9:00)~ハシゴ谷迂回路分岐(9:45~10:20)~ハシゴ谷乗越手前尾根(11:20~11:30)~内蔵助平(13:18~13:40)~黒部本流出合(15:35)~ダム下本流橋(16:40~16:45)~黒四(17:20) 最終トロリーバス(17:35) 扇沢大町温泉郷薬師の湯、かっぱ寿司=豊科IC=矢野口駅解散(23:25)

雨はあがった。朝飯は5時からだが濡れものを取り込むなど、準備のため4時起き、昼食におにぎりをもらって出発。黒四まで一般ルートだが今日も長い、北俣を下りるルートは雪渓が割れて通れないとのことで、仙人新道を下りる。途中から小窓の雪渓が良く見える、鉱山道取りつきの下の方には滝があり、雪渓が切れているので、小窓雪渓を下りることは出来ないというのがよく分かる。二股に下りて剣沢の左岸を遡る。ハシゴ谷乗越への橋に来ると、橋が半分壊れて流されている。流れは速く水量も多いのでここは渡れない。しかたなく左岸をさらに登って行くと、もう一つ橋があったらしいところに着いたが、ここにも本流を渡る橋がない。これはハシゴ谷乗越への道は駄目なのか、だめならこのまま剣沢を登って別山乗越を越えるしかない。その上には、八ツ峰側、三ノ沢からのデブリが本流を被っているが、デブリの下はゴルジュ、激流になっていてハシゴ谷まで戻ることは出来ない。いよいよ半分あきらめてデブリを登って行ったら、デブリの向こう、右岸に黒四へと赤く書いた字を発見。これが今使われているハシゴ谷迂回ルートだ。真砂の小屋までもう少しというところ。やれやれこれで予定通りのコースで帰れると喜んだのだが、振り返ると益崎と木邨ががっかりしたような、あてが外れたような顔をしている。どうやら、このまま別山乗越を超えてミクリガ池温泉あたりで一晩のんびりしようと決め込んでいたらしい(後から考えると確かに別山を越えて帰った方が良かったような気がする)。というようなことはあったが、その時は特に気にすることもなくハシゴ谷に向かう。浅い沢のようなところを登って段丘状のところに出て、そこから下流へ林の中をトラバッて行くとやがて本来のハシゴ谷ルートに合流した。この迂回で約1時間のロス、これがあとで効いてくる。ここで昼飯の1を摂って、次は沢の中の急な登り、1ピッチでハシゴ谷乗越の1本手前の尾根を越え、そこから20分ほどのトラバースで本来の乗越に着いたが、そのまま内蔵助平に向けて下降、岩の多い歩きにくい道だ。途中一回休んで内蔵助谷本流の橋の手前で休憩、2回目の昼飯にした。ここでこの後の所要時間を計算、黒四まであと3時間半はかかりそうだ、トロリーの最終は何時だろう、間に合うだろうか、間に合わなければ黒四でステーションビバークか、ちょっと心配になってきた。2日間の長時間行動でかなりばててきているが、なにはともあれ、頑張って歩くしかない。内蔵助谷右岸の道はあまりよくない、フィックスされたザイルにぶら下がってトラバースするようなところもある。1ピッチで本流出合、ダムの観光放流は17時までという看板があったので、最終トロリーは少なくとも17時過ぎだろう、17時半ならぎりぎりかな、などと気をもみながら歩く。1ピッチ強でダム下の橋、ダムからは最後の放流の水しぶきが上がっている。さてここから約200mの登り、ばてた足を引きずりながら、がんばって登る。あと20m、最後のカーブのところで、ダムの方から最終トロリーの案内放送が聞こえてきた。17時35分が最終だそうだ、あと20分、なんとか間に合うか、ここで比較的元気な片岡が先行、ロートル3人が必死で後を追う。ダムの入り口を入り、ちょっと道を間違えたりしたが、トンネルの中に1台だけ停まっているバスにたどり着く。ところが誰も乗っていない、どうなってるのかと思ったら、目の前の扉が開いて駅員が現れ、そこで待ってちゃダメ、先に切符を買って改札の外で待つように、とのこと。というようなことで、ぎりぎりセーフ、間に合った。ステーションビバークも免れた。最終バスはさすがにすいていて他にお客は数人だけ、薄暗くなってひと気のない扇沢に到着した。最後はバタバタだったが何とか予定通り帰ってきた。駐車場から車を回し、まず汗を流しに大町温泉郷の薬師の湯へ、いつものわっぱらの湯は火曜日定休とのこと。さっぱりしたところで片岡はこのままコンビニで食糧調達して仙台へ帰るということなので、ここで解散。あとの3人はどこかで飯を、時間が遅いのでどこでもいい、と走っていたらかっぱ寿司を発見、たまにはこれもいいかと入ってみた。全品一皿100円の回転ずし、ネタは最悪に近いが腹ごしらえだけは出来た。一人800円だからしょうがない。あとは暗くなった中央道を走って、矢野口に23時25分到着、木邨、益崎も終電前に帰ることが出来た。

懸案のひとつ、剣の北方稜線をトレース出来たのがまず良かった。小屋泊まりは正解だったろう、幕営だと途中三ノ窓か小窓で泊まることになるだろうが大荷物であのルートは嬉しくない。北方稜線は技術的には難しくない、ガラ場歩き、草付き歩き、雪渓歩き、荷が重くなければどれも問題ない。一番はルートファインディング、特に今回のように視界がない中でルートを探していくことは至難の業だ。GPSがあったから何とかなったが、なかったら途中ビバークという事態も考えられる。そういうことで山歩きの総合力を求められる、いいルートだと思った。荷を軽くしたとはいえ、2日間よく歩いた。体力低下が進むなかでぎりぎりの行程だった。ハシゴ谷乗越をやめて別山乗越にした方が、いくらかでも余裕を持って歩けたかと反省している。計画の段階で所要時間をもっと厳しく見積もるべきで、トロリーの最終時間なども調べておくべきところだった。というようなこともあるが、まずは充実した、コンパクトながら中身の濃い山行だった。