つづら岩

 

1962年9月

 

参加者   池戸誠二郎  伊東 毅

 

主装備  ザイル40m1、ハーケン6,6、ビナ10、ハンマー1

 

費用   444円

     新宿~五日市160円 五日市~本宿40円 本宿~五日市40円

     五日市~立川50円 牛乳14円 コーラ50円 ビール60円

     牛乳20円 アイスクリーム10円

 

9月22日

新宿発(7:10)=立川(7:54~8:06)=五日市(8:40~9:22)=本宿(9:45)~馬頭刈尾根(11:20~12:10)~つづら岩基部(12:30)~登攀(13:05~15:15)~つづら岩発(16:10)~千足(16:55)~本宿(17:05~17:48)=五日市(18:10~18:18)=帰宅(20:00)

 

小さい靴を履いていく。岩登りにはこの方が使いやすい。しかし足が痛くなるので歩くのには不向き。五日市でバスを待つ間にコーラを飲む、暑い日だ。本宿行きのバスを逃し、人里行き、本宿から歩く。千足沢の入口はすぐ分かったが、そこから先の記憶が間違いだらけだった。つづら岩へ上げる踏み跡の入口が分からず、途中で現れた踏み跡を間違えて登ったら、木陰がなく、ものすごく暑い。膝の調子悪く、腹の調子も悪い、加えてトレーニング不足、バテて消耗した。シニシニになって、つづら岩の馬頭刈寄りの縦走路に出る。大分右に寄り過ぎで、ずいぶん遠く見える。木陰に入ってひっくり返る。飯を食おうとするが、とてものどを通らない。ナシがうまかった。暑さにやられてバテた。夏山を思い出した。ずっと寝ていたい気分、ファイトがなくなってしまいそう。縦走路を歩いて、つづら岩の下に、意外に早く着いた。

既に1パーティー取り付いていた。メッチェンを入れた3人、でもすぐにいなくなった。第1ルートをまず登ることにするが、日が当たってやっぱり暑い。アンザイレン、前回と同じくトラバースより、池戸さんトップ。まずは順調に第2バンドテラスへ。2度目なので気分的には楽、細かくてもホールドがあるのでいける。しかしバテているので苦しい。2ピッチ目で苦戦、ハーケンを多く使っていくが、2か所の垂直部分で延々時間を食う。上の方を登る時にスリップ、1mくらいですぐ止まる。ジッヘルしていても日に照らされて辛い。それでも何とか登って、第3バンドに出る。ここで2ピッチ目を切る。セカンドは割と軽く越せたが、バテている時はバランスが悪くなる。身体を離してみたが、垂直部分ではやはり腕力がいる。第3バンドで小休止してナシをむいて食べる。最高にうまい。他のものは食べる気がしない。せっかく持ってきたチョコレートも卵も、まるっきりダメ。水気しか受けつけない、夏山の時よりひどい。

3ピッチ目は左にトラバッてクラックを登るが、短くて何も感じない。登攀所要時間2時間10分、ひどいものだ。バテのためしょっちゅう休んでいたけど、それにしてもかかり過ぎた。時間もなく、調子が悪いので1ルートをものにしただけ、下に下りて、またナシを食べる。ああ、ビールが飲みたい、氷水を飲みたい。どうもつづら岩はついていない。もっと登る積りだったのに、冴えない話だ。

暑苦しい、かすんだ空から、雨が落ちてきたようなので、下りることにする。例の急坂、この前の記憶はどうなっているのか、情けない。雨は結構激しく降ってきたが、林の中なので大して感じない。下に下りたら止んでしまった。本宿まで歩く、まったく暑い。中本宿のバス停でビールを飲む、うまかった。うすくも、またまたバス停に財布を忘れ、取りに戻ったりして、帰りは別々になった。試験直後、トレーニング不足、酷暑、身体の不調、とにかくサブで2ピッチ歩いただけで、あんなになったところは問題。岩登りとしては不満足、残念だった。奥多摩は冬に行くのが良さそうだ。