三ッ峠

 

1962年9月

 

参加者   内田 博 池戸誠二郎 藤原豊太郎 木邨允宏 伊東 毅

 

9月28日

新宿発(23:45)=三ッ峠駅(3:10)~ダルマ石下(4:00~4:15)~八十八大師下(5:05~5:15)~

白雲荘(5:30)~屏風岩登攀(6:00~16:50)~三ッ峠駅(18:20~18:41)

 

 9月28日はMy Birthday、新宿でcakeを仕入れる。すでに内田さんが来ていた。電車は座れたので、短い時間だけど眠れた。大月で乗り換え、三つ峠駅まで眠る。外はものすごく寒い、星がいっぱい出ている。セーターを着たまま、夜の道をハイカーに混じって歩く。ダルマ石からの急坂は予想外に長かった。それでもつづら岩の時とは逆に涼しくて楽だった。吉田の街の灯がきれいに見える。富士が黒く浮かび上がる。白雲荘に着いた時は、もう明るく、朝食を食べて、荷物を預けて岩場に向かう。

 まず右ルート、まだ寒く、指先があまり利かない。結構細かい、バランスに気を使ってみる。第1バンドのテラスに達してから、アプザイレンで下りて、もう一度登る。第1バンドより上は十字クラックを登る。十字クラックそのものより、下の方が悪かった。あまり気持ちいい登攀ではない。クラックよりフェース、カンテの方が気分がいい。その上は簡単な登りで第2バンドに出る。第2バンドより天狗の踊り場まで、やさしかった。気軽に登れる。これで午前の部終了、頂上に向かい、登山道を通って、白雲荘に戻る。

 昼飯を食う、cakeを食う、ナシも食う、いろいろ食べて暖かいので、食後の昼寝、気持ちのいい眠り。そしてまた岩場へ。また右ルートを登り、下って次は左ルート、バランスの勉強になる。相当難しい、腕力を使うのか、腕がばてた。次はク―ロアールを登ろうとしたが、相当に悪そう。特に出口のあたりはハングしてる。内田さん苦戦、吊り上げとあぶみで登りきった。われわれは敬遠、藤原さん、木邨とサンドイッチを登る。簡単だった。東面のクラシックルートを登ってみたかった。快調そうで登れそうだったがな。藤原さんがちょっとファイトなくて、こういう時は、やめといた方がいいのかな。第2バンドから上は、前とは別のクラックを登るがやさしい。これで登攀終了、また頂上から登山道を下る。

 帰りは元来た道をスタコラ、足取りも軽い。空にはオタマジャクシのような雲が浮かんでいた。夕焼け空がきれいで、駅に着いた時には、もう暗くなっていた。静かな一日、暖かい太陽を受け、富士を眺めて気持ちの良い一日だった。19歳になった日、よい日だったろう。

 岩登りとしては、つづら岩より数段よかったが、やはり少し物足りなかった。いちばん下の左ルートのみが悪く、後はみんなやさしい。どこを登っていても落ちるという気はしなかった。もう一つ手応えのあるところをやってみたかった。技術的な勉強の上では、やさしいところもいいのだろうが、どうもあまりビッとしない。地蔵、観音のルートは相当悪いようだ。でも今度来た時にはやってみたい。岩登りに対しては自信もついてきた。これからも、どんどん行きたい。岩登りも楽しいし、縦走も楽しい、今は山登りが楽しくて仕方ない。三ッ峠はいい、中央フェースなんて登るのは相当なものだ。でもまた、いずれ行くさな。

 

費用 1060円

   新宿~三ッ峠320円 三ッ峠~新宿320円 cake150円 ナシ50円

   キャラメル20円 ようかん50円 チョコレート50円 新聞10円

   茶代40円 うどん50円