0209奥穂南稜

 

 

参加者  浜野宏明  木邨充宏  塚田玲子  伊東 毅

9月21日
新宿発(7:00)ス・あずさ1=松本(9:38~10:15)=上高地(12:20~13:00)岳沢(15:40)

連休初日、松本から直通バスにしたのが失敗、道路渋滞でノロノロ運転。途中で事故もあり、島々まで電車で行けば、その分影響を受けずにすんだということ。1時間遅れで上高地着、梓川の河畔で昼食、天気は上々、岳沢は目の前、南稜もよく見える。岳沢ヒュッテまではしっかり3ピッチ、遅くなったので取付きの偵察は省略した。ヒュッテは綺麗だが、結構混んでいた。食事はまあまあ、ビールジョッキ800円高いけど美味い。早々に布団に入ったが、向かいの部屋の団体がうるさく、なかなか寝つけなかった。

9月22日
出発(5:15)~取付き(5:45)~スラブ下朝食(7:20)~トリコニー1峰(10:25)~南稜最上部昼食(11:50~12:30)
~吊尾根南稜の頭(12:50)~紀美子平(14:00)~岳沢ヒュッテ(16:10)~上高地(18:00) 西糸屋泊

4時半起床、朝食は弁当、明るくなるのを待って出発。ガラガラの河原を登り、滝沢直下の雪渓は右岸のガレ場を登って取付きのルンゼに到着、ここまで30分。一番乗りなので、そのままノーザイルで登攀開始。ホールド多くほとんど問題ないが、初心の塚田さんがいるので傾斜が急なところではザイルを出した。朝食を食べてないのでルンゼが終わって、傾斜がゆるくなった草付きで休憩。ここで後続の4人パーティーが追いつき、先行する。この上が核心のスラブと思われる。ゆるいスラブから角度が急になるところから右へ15m程トラバースして草付きとのコンタクトラインを直上するが、この2~3mが悪かった。トラバース終了点に1本ハーケンを打ち、その上は残置ハーケンに助けられて這い松のテラスにずり上がった。30mザイルがほぼ一杯、浜野、塚田と続き、4人目の木邨はテラスに入れないので、そのまま直上、10mほどで這い松帯にもぐりこんだ。これで核心部は突破したとホッと一息つく。この上は這い松の藪こぎ、登っているうちに右から明瞭な踏み跡が来ているのを発見、どうやらあのスラブは右側から捲けるらしい。おまけに後続のパーティーにここで追い抜かれたようだ。まあ仕方がない、これくらいのピッチがあってもいいかと半分負け惜しみ。この上は順調にトリコニーを目指す、トリコニーでもザイルを使うが難しくはない。どんどん高度が上がり、眼の下に上高地、左右に西穂と明神の稜線を眺める気持ちのいい登高が続く。3100mの稜線までは流石に長い。それでも最後に高度感があって、ちょっと緊張するナイフリッジを通過して、ほぼ登攀終了。吊尾根直下の草付きで昼食にした。ワインをあけ、ラーメンを作った。上高地の先には焼岳、乗鞍、御岳が浮かび、中央アも南アも八ツも白山も見える、至福の時だった。奥穂も前穂も寄らず重太郎新道を下りる。こちらは多くの登山者の列、鎖場ごとに渋滞した。岳沢にもう1泊の予定だったが、ゆっくり温泉に入りたいと上高地まで飛ばすことにした。西糸屋の登山部という別館、カイコ棚だが2食付き7500円は安い。天気に恵まれ、その昔、ウエストンが嘉門次と登った超クラシックルートを楽しむことが出来た。

9月23日  帰京

翌日は帰るだけ、松本で市内見物して、女鳥羽川のほとりの弁天本店で熱燗1本ともりそばで陶然、幸運な山行をしめくくった。