0410秋乗鞍VSA生活

 


参加者  大谷尚史   中沢新吾   藤原国生   益崎健二郎
     内田正明   片岡ひとみ  伊東 毅

10月29日 VSA入り
大谷車 中沢・内田・片岡 東京駅集合(7:20)
伊東車 藤原・益崎 府中本町集合(7:30)=双葉SA合流(9:00)=塩尻北IC(9:30)=山形村買い物=
昼食いがや=鈴蘭(14:00)=VSA(15:00) 薪荷上げ

木邨が仕事で参加できず、同期5人と内田、片岡の7人。山形村の大型スーパーで食料買出し、品物豊富で安くて便利だ。いつものようにいがやそばで昼食。夜泣峠からの林道が台風の大雨で路面が流され、凸凹がひどく大谷車は無理、入口に置いて伊東車でピストン。さらに鈴蘭小屋から薪を運ぶ。天気は快晴、先日来の雨と冷え込みで乗鞍の頂上方面は雪化粧。紅葉は大野川付近がピーク。VSAの居間・ストーブ部屋と入り口を仕切るカーテンを取り付けた。これで寒気と臭気が遮断出来ればいいのだがやや寸足らずだった。改良は次回の課題。大谷のESSEN、ますます豪華に、連日美味飽食。

10月30日 前川本谷遡行
起床(4:30)VSA出発(6:25)~前川本谷(6:40)~遡行開始(7:00)~二股(8:00)~F1虹の滝上(8:35)~
F2ナメ滝上(9:00)~F3直瀑20m下(9:10)~F4ナメ状8m滝(9:40)~F5ゴルジュ滝上昼食(10:07~10:25)
~大学尾根~林道(12:40)~VSA(13:00)

今回は天気がいまいちで、午後から雨の予報、ガンガラ沢も上までは無理だし、虹の滝を高捲いて前川本谷右俣を行ける所まで行ってみることにした。出合の橋まで全員で行き、中沢と大谷はここで引き返し、残る5人で遡行開始。1時間で二股、内田氏手作りの六分儀で虹の滝の高さを測量、結果は30m±3mと出た。思いのほか低い数字で、名古屋ACCの記録にも60mとあるように、遡行者の目にはとかく過大に見えるものらしい。記録では滝手前右岸のドロ壁を登ったらしいが、それより最初から左俣との中間尾根の方が良さそうなので、二股から直接尾根に取り付く。急だが樹林帯なので危険はない、滝の落ち口より高く登ってのぞきこむと、下に川床が見えたので、木につかまりながら斜面を下りて落ち口のすぐ上に出ることが出来た。上から見ると30mの滝の上に5mほどの滝が2段になっており、滝の下までは見通せなかった。ともかく虹の滝の高捲きに成功、あとはどこまで行けるか。虹の滝がF1,すぐ上に10m弱のナメ滝がある。水流が白く泡立っているので、中にホールドがありそうだが、相当なシャワークライムになる。近づいてみると水流の右側が登れそうなので取り付いたら、苔のついた岩にそこそこホールドがあった。傾斜もそこそこだが念のため、上からザイルを下ろしセカンド以下を確保した。しばらく行くと前方に大きな滝が見える、ガンガラ沢の大滝と同じような感じで垂直に水が落ちている。ひと目で直登不能、捲きのルートを探す。両岸とも樹林の斜面だが左岸の方が良さそう、滝の手前20mほどのところから登り、小さなルンゼの上部を越えて滝の上に出た。ところで名古屋ACCの記録ではこの滝を登った記述がない、虹の滝の高捲きで一緒に捲いてしまったようだ。続いてナメ状のF4、ナメと言っても上部だけで、下は垂直に水が落ちていて、正面突破は難しい。だが水流の右に木の生えたリッジがあり、その右手の岩場との間が登れそうだ。岩はやや逆層で左の潅木を掴みながら登ったが、腕力がいるので、ザイルを使った。この上はやや左に曲がりながら両岸が切り立ったゴルジュに入っていく。その曲がり角に6m位の滝、F5がある。見た目は迫力あるが傾斜があり、ホールド豊富で難なく突破。ところが滝のしぶきが凍って岩のあちこちに薄氷・ベルグラがついている。高度も2000mを越えたので、氷が出て不思議はない。ということはこれ以上登るのは危険になってくる、天気もそろそろ怪しい、ということでここで遡行は終了、あとは大学尾根にエスケープすることにした。この上にも2つほど滝が見え、これから先も楽しめそうだが、それは次回の楽しみにとっておこう。ヤブ漕ぎ前にと昼飯を食べていたら案の定ポツポツやってきたので、早々に切り上げ左岸の熊笹に突入する。トラバース気味に尾根に出てあとは尾根を下ればいいと思っていたが、この尾根は幅が広く、なかなかトラバースが終わらない。熊笹も背丈ほどあり、斜面が急なのでトラバースも結構しんどい。時々針葉樹の密生したところでは笹はなくなるが、足元は溶岩地帯であちこちに穴があいているので油断が出来ない。おまけに笹が濡れているので全身びしょぬれになる。TUSACERは余りヤブが得意でない、笹に滑ってずり落ちたり、穴にはまったり苦戦の連続、みんなうんざりした表情、途中休憩を入れ2時間余りかかってようやく林道に出た。VSAに着いたとたん、こらえていたように雨が降り出し本降りになった。全くタイミングが良い、早めに切り上げて大正解であった。先に帰った大谷と中沢は買い物に出かけてまだ帰っていないがストーブに火をつけ、ビールで乾杯。前川本谷右俣、虹の滝の課題も解決、あとは高天原までの完登だが、そのメドもついた。日の長い季節を選んで再挑戦したい。飲んでるうちに大谷たちも帰る、休暇村に出来た日帰り温泉に寄ってきたとか。夕食はパスタ、他にもいろいろあるので食べ切れない。

10月31日 県境尾根・ミソギ沢探索
VSA出発(8:20)~県境尾根コル(11:00)~尾根下斜面昼食(11:30~12:00)~ミソギ沢出合(12:15)~
ミソギ沢引き返し(13:50~14:10)~ミソギ沢出合(14:40)~VSA(15:50)

雨は夜中降り続き、明け方にあがる。これだけ降ったので沢もヤブ漕ぎも敬遠したい。ではどこへ行くかと思案の結果、VSAから見える県境尾根に行ってみようということになる。7人揃って前川林道をどん詰まりまで、この林道も長い。ミソギ沢出合の橋を越え、しばらくで林道終点。その先はヤブ漕ぎかと思ったら、熊笹に切り開きがしてある。それも刈り跡も新しい。登っていくと熊笹の斜面を数メートルおきに水平に刈り払いをして段々畑のようにしてあるところに出た。遠くから見るとお茶畑のようになっている、植林でもするのだろうか、でも刈り払ったばかりで苗木などはないから何のためなのか分からない。ともあれ、お蔭で稜線の下20mくらいのところまで労せずして到達した。この上は熊笹の密生、先が見えているから恐れることはない。フジクニ先頭にわけなく稜線に達する。稜線の向こうは飛騨の国、御岳が見え、野麦峠につながる山並みが見える。稜線には切り開きなし、踏み跡なし、この尾根はどちらに行くのも大変だ。無雪期のルートではない、残雪期、4月上旬あたりなら高天原まで行けるだろう。尾根の上の立木に赤布をつける。振り返るとVSAが見える、晴れていれば穂高も見えるはずだ。目的を果たしたので少し戻って広くなったところで昼飯、穏やかな天気でカラマツの黄葉が美しい。午後まだ天気がいいのでフジクニ、益崎、内田、伊東はミソギ沢左俣の偵察、残り3人はVSAへ。ミソギ沢左俣は高天原の手前で県境尾根につきあげる短い沢で県境尾根への登降路になるかも知れない。橋から入渓、傾斜もゆるく平凡な流れが続く。20分ほどで二俣、最初右に入ってみたが水量がどんどん減って、どうも右側の尾根に向かいそうなので、途中で戻り左俣を登る。相変わらず滝のひとつもない冴えない流れが続く、いい加減登ってみたが変化がない、最後の詰めがあるいは急かと思われたが、そろそろ時間切れ、ほぼ2000mくらいの地点で引き返した。沢登りとしては全く魅力なし、県境尾根へ出てもヤブ必至だから、この沢は余り価値がないな。まあ、それが分かっただけで良しとしよう。今回は天気予報が思わしくなく、どれほど行動できるか心配したが、2日とも、そこそこ動けて未知の地域の探索が出来、思わぬ収穫が得られた。

11月1日
撤収=休暇村温泉=鈴蘭=山形村唐沢そば=帰京

ゆっくり起きて、ゆっくり朝食、ゆっくり片付け・掃除。VSAを後にする。それでも休暇村の温泉は11時からで30分待たされた。新しくここでボーリングしたようで、鈴蘭や白骨の湯とは違い鉄分のありそうな透明な湯だ。新しくて気持ちいい。帰路、山形村の唐沢蕎麦集落に寄り、新そばを味わう。月曜日で中央道もすいていた。今回も充実・楽しいVSA生活だった。