0802~3乗鞍県界尾根とスキーの会

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0802~3乗鞍県界尾根とスキーの会

参加者  木邨光宏   藤原国生   伊東 毅

2月28日
分倍河原駅(7:30)=国立府中IC(7:40)=塩尻北IC(10:00)=買い物=いがやそば=鈴蘭(13:00)~VSA(15:00)

恒例のTUSAC乗鞍スキー、今年の参加は3人のみ。木邨が泊り明けで渋谷から直行なので分倍河原集合。いつも通り山形村のイオンで買物、いがやで蕎麦、鈴蘭で鍵、休暇村から歩いて入る。この冬は雪も多めだが風が強かったためVSAの入口まで雪が回って埋まっていた。まず雪かき、通路を確保して窓の外の雪を削る。終わって水穴掘り、雪が多い、木邨と2人で掘ったが水は出て来ない。ガッカリだが仕方がない、雪をとかして水を作る。ストーブだからすぐ出来るのが助かる。初日は豚の水炊き、相変わらずだがストーブで鍋が一番。

2月29日 県界尾根~高天原~屋根板
VSA発(6:40)~ミソギ沢左俣橋(8:30)~県界尾根2000m(9:00)~県界尾根稜線(10:05)~
森林限界2150m昼食(10:45)~2330m(11:50)~台地2527m(12:40)~高天原(13:45)~
剣ヶ峰とのコル(13:55~14:10)~屋根板(14:30)~ゲレンデ(15:20)~VSA(15:50)

フジクニは腰痛のため休養、木邨と2人で懸案の県界尾根に向かう。快晴、樹林帯では風もない、ラッセルは靴上まで。木邨が前川林道のショートカットルートをGPSに入れてきてくれたので、効率よくミソギ沢まで行けたが、それでも長い。県界尾根は稜線に出てのアップダウンを避けてミソギ沢側の斜面を斜めに登っていくが、ラッセルもあってこれも結構長い。腹がへったので2000m付近の樹林帯で1回目の昼食、森林限界直前で2回目の昼食と、ここまでが時間がかかった。天気は申し分なし、穂高の吊り尾根がきれいに見え、稜線に出ると御岳が大きい。森林限界を越えると斜面が固くなってくるのでクトーをつけるが、少し登るとカチンカチンにクラストしてクトーでは厳しいのでアイゼンに替える。前回はこの下あたりでアイゼンがないので断念したところ。スキーをかつぐと肩にズッシリ、ここはいつも風が強いようでスキーがあおられるのできつい登りになる。傾斜もきつく、足首が曲がらない、ジグザグをきりながら、一歩一歩、歩数を数えるようにがんばる。そしてまず2527mの台地に着く、ほっとひと息、目の前に高天原のドームが見える。あと300m、ミソギ沢右俣源頭のガレを回るように尾根が続き、雪庇も出ているが斜面は広いので問題はない。相変わらず風が強い、とにかくがんばるしかない。やがて高天原の頂上の一角に到着、今度は目の前に剣ヶ峰と大日岳が200mの高度差でそびえている。高天原頂上まで標高差にしてあと10m余りだったが、実は頂上よりもこの先の前川本谷源頭の雪の状態が気がかりで、そのまま頂上は割愛して左側をトラバース、剣ヶ峰とのコルを目指した。去年の5月に来た見覚えのある鞍部、風で雪が吹き飛んでいる。コルに着いて前川本谷源頭を見下ろして、やった!雪はしっかりパックされている。傾斜もゆるいので雪崩の心配はない。ここの状態如何では最悪の場合Uターンしてまた県界尾根を下りるしかないと思っていたのだが、これなら滑って下りられる。ここまでの登りで体力を結構消耗していたので、本当に嬉しかった。後続の木邨に両手でマルを作ってOKのサインを送った。前川本谷最上端の雪面にザックを下ろし、アイゼンを外す。ここで大チョンボ、アイゼンを袋に入れようともたもたしていたら、クトーが片方風にあおられて前川本谷に飛んでいってしまった。さらに続いてテルモスが滑り出し、同じく前川本谷へ。ザックの口をよく閉めていなかったのが原因、まったくなんたることか、高価なクトー、貴重な水を失ってしまった。現役時代ならモーカツを食らうところだ。なくなったものはしかたがない、スキーをはいて前川本谷を滑る。最初は硬いクラストだが流されるほどではない。ところどころシュカブラができていて、シュカブラの方が軟らかく滑りやすい。中間くらいまで来るともう少し雪が軟らかくなり、快適にターンが出来る。そして最後、沢から屋根板へ移る斜面のトラバース、スピードをつけて一気に横切る。ここが一番気がかりだったが、しっかり締まっていて全く問題なかった。それでも屋根板に出て、本当のひと息、これで問題になるところはなくなった。あとはスキー場目指して下りるだけ。広い屋根板を横切って切り開きに入る。今年は大きなシュカブラが出来ていて波乗りのようなところがある。樹林帯に入って久々の一休み、残りの昼食をとる。県界尾根の樹林限界からほとんど休みなしだったので、さすがに疲れた。スキー場からはバス道路右端から林に入り、VSAに向かったが、この辺の雪は固めのモナカで結構悪かった。VSAに帰ると荒川氏が着いていて、今晩は4人。県界尾根走破の祝杯を上げる。標高差1100m余り、なかなか大変なルートだが、変化があって面白い。今回は天気に恵まれ、2人の足が揃っていたこともあってうまくいった。結果的に前川本谷源頭は雪崩の心配はないようだ、肩から剣ヶ峰の横腹をまいて風が吹きつけ、雪が締まっている。降雪中や直後でなければ問題ないだろう。夕食はキムチ鍋、夜に入って雪が降り出した。

3月1日
VSA発三本滝(13:30)~VSAツアー~鈴蘭 懇親会

昨日の疲れで朝はゆっくり、荒川氏は学習院山岳部のOGを迎えにひと足早く休暇村へ。我々は荷物をまとめて撤収、番所で明日の昼飯用のパンを仕入れて鈴蘭小屋へ。昼飯は三本滝のレストハウス、笠原健夫妻、内田さんらと合流、矢崎夫妻(旧姓日下部むつみさんと夫君)に40数年ぶりに再会。VSAツアーは20人余り参加、昨晩からの雪でラッセル、あまり滑らないがモナカよりは安全。今年は石川さん、中村輝さんなど珍しい顔ぶれに加えて、安田君ら若手、現役も参加、懇親会も賑やかになった。

3月2日 大学尾根ツアー
鈴蘭発(8:20)~リフトトップ(9:00~9:25)~屋根板下休憩(11:10~11:25)~屋根板(12:10)~
屋根板シール外し(12:20~12:35)~大学尾根2260m昼食(13:00~13:35)~林道(13:45)~VSA(13:55)
~鈴蘭(15:25) 帰京

昨晩遅くまで飲みすぎて調子が悪い、一昨日の疲れも残っていて、今日も休養したいなと思ったが、窓を開けたら快晴、これでは大学尾根に行かなくてはならない。参加者は岡田さんと矢崎夫妻、これに木邨と伊東の5人。リフトトップでシール装着、ここでまず矢崎さん(夫君)のシールの長さがスキーに合わない。古いシールで先端のフックが幅広のトップに合わないため、事前に工夫してきたようだがサイズが合っていなかった。ナイフでシールを切るなどして調整、これに少々時間がかかった。登りだして最初の急斜面、ここでむつみさんが登れない。シールが古く糊が効かないため斜登行でシールが横にずれてしまう。短い距離なのでツボ足で登り、上の緩斜面でガムテープでシールを固定する。そんなことでややもたついたが、その後は順調に登り、屋根板下の樹林帯で昼食の1、風弱く暖かい。屋根板に登ったら上からフジクニとお輝さんが下りてきた。肩まで行かず途中でUターンしたようだ。安田、和泉、小田の若手・現役は肩か頂上に向かっている。我々は屋根板の2450mまで登り、ここでシールを外し、大学尾根にトラバース。いよいよ滑降開始、天気は最高、大学尾根上部は雪質最高、軽めの締まり雪からパウダー、みんな大喜び。岡田さんはもちろん、矢崎夫妻も準指と1級の腕前なので華麗なシュプールを描く。200mほど下りた樅の疎林の中で昼食の2、お湯を沸かす。この辺まではみんなにこにこ、ご機嫌だったが、大学尾根はこれからが長い。快適な下り斜面もあるが、滑らない緩斜面もあるので歩かなければならない。下に下りるにしたがい暖かくなりすぎて雪が重くなってくる。だんだん疲れて、矢崎さんも重い雪に足をとられて転ぶ回数が増えてくる。やっぱり山は雪質が変わるから大変だ、登りも含め体力も使うのでゲレンデとは大違い。それにしても大学尾根下部はこんなに平だったかと思うほど緩斜面が続く、ようやく最後の急斜面の上に出てVSAを見下ろした時は正直ホッとした。行く前、この無木立の斜面の雪が不安定ではないかと心配したが、重い湿雪ながら安定していて問題はない。次々に斜面に飛びこんでいくが、ここの雪が一番重く大変だった。矢崎夫妻は疲れ果てたようで、やっとの思いで林道に。何やかやで予想外に時間がかかった。バスで帰る矢崎夫妻、岡田さんが最終にやっと間に合うかという時間、VSAで休む暇もなく休暇村経由鈴蘭へ。鈴蘭小屋の前では朝倉さんが待っていた。あわただしくみなさんはバスで帰京、我々は車なので風呂に入れてもらい最後に出発、島々の徳兵衛でそば食べて帰る。中央道は思いのほかすいていた。今回は天気の周期がよく、行動日が最高の天気、その間に雪が降って新雪が積もると言う、好条件に恵まれた。懸案の課題も解決したし、スキーの会も若手が参加してなによりだった。この流れが続くといいが。