0509西穂~奥穂縦走

 

0509西穂~奥穂縦走

参加者  木邨光宏   益崎健二郎   片岡ひとみ   伊東 毅

9月24日
府中本町(6:40)=国立府中IC(7:00)=新穂高駐車場(11:00) 昼食 =ロープウェー上(12:30)~西穂山荘(14:10)

台風で中止した昨年のリベンジ、今回も台風17号が南海上にある。雨の府中本町集合、西に行くに従い雨はあがり、松本では薄日も射してきた。台風のおかげで道路はがら空きだったが、3連休なので新穂高の無料駐車場はほぼ満車、辛うじて1台分の空きをみつけて滑り込んだ。隣の河原で昼食後、ロープウェーで西穂へ。2000m付近のガスを抜けると雲海の上に笠が見える上々の天気。西穂の小屋まで1ピッチちょっと、家族連れが多く、背中と胸に赤ん坊を運ぶ父親もいた。小屋の混雑を心配したが台風のお蔭で客が少なく、一人に布団一枚の割り当てと比較的ゆったり。時間が早いがビールで乾杯、続いて木邨持参の焼酎、それでも時間が余る。小屋のTVの天気情報では台風は東にそれるようで、雨雲もこの辺が境目。雲は高く薄いので、どうやら明日も大丈夫のようだ。

9月25日
西穂山荘発(5:10)~独標(6:10)~ピラミッドピーク(6:45)~西穂(7:25)~間ノ岳(8:38)~天狗岳(9:45)~
畳岩尾根ノ頭(11:00~11:40)~ジャンダルム(12:15)~ロバの耳(13:14)~奥穂(13:45)~穂高岳山荘(14:25~14:35)
涸沢岳(14:50)~穂高岳山荘(15:07)

朝食のおにぎりを食べ、リヒトをつけて出発。台風はまだ南海上か、風もなく雲海の上に山々が浮かんでいる。ゆっくり歩き出したが独標まで1ピッチ、西穂の頂上でガイドつきの団体のパーティーに追いつく。全員ヘルメット、ハーネスをつけているので奥穂まで行くのかと思ったら、どうやら岩場の初心者パーティーらしく、独標からアンザイレンして来て西穂で引き返したようだ。西穂から核心部、傾斜が急な岩場や鎖場が出てくるが難しいところはない。ルートも白ペンキの標識で迷うところもなく、北鎌とは比較にならない。悪いと言う間ノ岳前後も特に記憶に残るところもなかった。天狗岳の逆層のスラブも傾斜が緩く、鎖を掴んでしまえば何でもない。岳沢側からガスが上がってきて、稜線を見え隠れさせるが上空は青空、台風の雲もこの辺が境目のようだ。薄いガスで視界がさえぎられることもなく、順調にピークを越えていく。天狗のコルで岳沢へのガレ場をのぞき込んだ後、畳岩の稜線の登り、ここも道がしっかり出来ていて、とにかく登るだけ。登りついた畳岩尾根の頭で昼食、バーナーを出しスープを作りゆっくり楽しむ。さらにコブ尾根の頭を越えるとジャンダルムの基部、ザックを置いてジャンの頭を往復するが生憎ガスで周りは見えなかった。ジャンのトラバースのバンドも幅が50cmほどもあり、鎖もあるので問題なし。ロバの耳から飛騨側を少し下るところが間違いやすいかも知れないが、踏み跡と標識を注意すれば問題ないだろう。最後の馬の背のナイフリッジも思ったより幅があるので立って歩くのに不安はない。天気が良く、岩が乾いているのでフリクションが効き、概ね岩も固いので快適な、やさしい岩登りに終始した。4人の技術、足並みが揃っていることもあって、予定よりかなり早く奥穂に到着した。連休最終日、奥穂の頂上には登山者が3人しかいない、珍しく静かな奥穂の頂上だった。結局この日、西穂から奥穂へ向かったのは他に4人ほど、奥穂から西穂へも数人で思ったより静かな稜線歩きを楽しめた。奥穂の小屋に着いてチェックインしてから、時間があるので涸沢岳を往復する。片道15分ほどだがガスがかかって視界ゼロ、3110m、唯一登り残していた3000m峰の頂上に立ったことに満足。奥穂の小屋も空いていて、布団1枚に1人で部屋の半分があいている状態、おかげで快適な小屋泊まりだった。ロング缶ビール750円、片岡さん持参のウィスキーでほろ酔い。夕方、涸沢側のガスに夕日があたって、ブロッケンが出る。小屋の前のテラスに宿泊客が集まって喜んでいた。ここのトイレは水洗、腰掛式、日本の山小屋もだんだん良くなってきている。

9月26日
山荘発(6:40)~涸沢岳往復(7:20)~山荘発(7:30)~ガレ場 2500m(8:25)~白出滝下(9:32)~白出小屋 昼食(10:42)
新穂高駐車場(13:00)=飛岳の湯=そば徳心=帰京

朝、雲海から日の出を見る。今日は下るだけの予定だが天気がいいのでもう一度涸沢岳に登る。北の方はよく晴れて立山や白馬までくっきりと見える。南の方は雲海が広がり、南アの3000m峰が島のように浮かんでいた。下りは白出沢、かつてのボッカ道。コルから急なガレ場、その中に石を組み合わせた道があり、不安定なところはないが、ところどころ石組みが崩れていて道が不明瞭になる。コルから出合いまで1500m、新穂高までは2000mの下り、傾斜が急なのでどんどん高度が下がる。荷継沢を渡るとゴルジュ右岸の捲き道になり、大滝の下に出て天狗沢の下で左岸に渡る。急な長い下り、ゴルジュのへつりも狭いところがあって、余り一般的な道ではないので利用する人も少ないようだ。誰もいないなあ、と思ったら下から若い女性が一人で登ってきた。ちょっとびっくり、穂高山荘に何か縁でもある人だろうか。出合の小屋で昼食、あとは林道、予定より大分早く新穂高に着いた。日帰り温泉「飛岳の湯」、稲核の徳心でそば、月曜で空いている中央道で帰京。長年の懸案だった西穂の稜線をトレース、難路ではあるが縦走路、踏み跡はしっかりしているし、標識も十分、鎖などもあるので、北鎌のようなヴァリエーションとは違う。でも我々中高年にとっては、このくらい余裕があった方がいいのかと思う。天気はよし、岩は固く快適、そこそこ高度感があって楽しい岩稜歩きだった。