0508横尾本谷周遊

0508横尾本谷周遊 

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0508横尾本谷周遊

 

参加者  浜野 宏明  益崎健二郎  片岡ひとみ  伊東  毅

 

行程

8月12日

府中本町(7:00)=国立府中IC(7:20)=長坂BS(9:30)=沢渡(11:30)=上高地(12:10~12:40)~横尾(15:30) (幕営

 

2005年夏山、横尾本谷の左俣から右俣を周回するコース、キレットと南岳のカールに幕営、北穂の池や北穂東稜に遊ぼうという計画。お盆の帰省ラッシュを心配したがさほどのことはなく、約30分遅れで長坂BS、浜野合流、沢渡のアルピコ営業所に車を預け、タクシーで上高地へ。このころから雨が降り出し、横尾まで傘をさして歩く。最初は大したことはなかったが、徳沢過ぎて雨足が激しくなり、風も出たのでズボンがびしょ濡れになった。横尾のテント場も水溜りだらけだったが、辛うじて水のない区画を確保、4~5人天を張った。夕食はパスタ、生野菜にベーコン、チーズ、パン、スープ、さらにワインとオートルート風豪華版。隣に張った埼玉大学の同好会の男女パーティーが遅くまで騒いで、安眠を妨害された。

 

8月13日

横尾発(7:15)~本谷橋(8:30)~涸沢出合(9:55~横尾本谷二俣(11:00~11:30)北穂)池の滝下(12:40)~天狗の踊り場(13:30~14:50)北穂池(15:50~16:00)~天狗の踊り場(16:40)幕営

 

雨は降ったりやんだり、5時起き、ラーメン食って出発。こんな天気でも人が多い。本谷橋で登山道と別れ、本谷の左岸を行く。涸沢出合までは踏み跡があり、ペンキの標識もあるが、草が生い茂っているためびっしょり濡れる。ゴアの雨具をつけて登る。二俣までは問題になるところはない。雨で水かさが増え、右俣の渡渉で靴を濡らしてしまった。左俣に入ってしばらくすると雪渓が現れる。夏も後半なのでズタズタに切れた雪渓で、雪の厚みを測りながらガラ場と交互に歩く。傾斜は緩く雪も軟らかいのでアイゼンは不要、スプーンカットを拾いながら登って行くと北穂の池の滝の下に出る。そこそこ水量はあるが、それほど迫力はない。滝の上にも雪渓が切れ切れに続く。奥の二俣からは傾斜の緩い右俣に入る。ガラ場でいったん無くなった水が現れ、最後の滝場に出る。これを越えればカールである。イメージ通り一気に周囲が開け、大キレットの稜線が見えてくる。カールの底には雪渓が残り、周囲は大きな岩が積み重なっていて、ここが天狗の踊り場と言うらしい。大きな岩の下に岩小屋があり、人の生活した跡があった。テント場を探すと少し右側、潅木の生えた台地に綺麗に整地された一張り分の平地があった。他は岩だらけで張れるところはなさそうだ。水は伏流となり、岩の下を流れる音だけが聞こえる。その水が最後の滝の上に流れ出ているので、テント場からは近い。右に南岳の岩場、左に北穂の壁が切り立ち、キレットの稜線には登山者の行列が見える。振り向けば常念から蝶の稜線が見え、屏風の頭の下に北穂の池の雪田が見える。雄大な景色に囲まれた別天地、こういう場所を求めてやって来たので、その甲斐があった。天気も落ち着いている。時間があるので北穂の池までルート探索に出かける。雪渓左のガラ場を登り、台地からトラバースして行く。いきなり潅木の密生したヤブにぶつかり、どこかに切り開きや踏み跡がないかと探したが見つからないので、エイヤッと突入したが、岳樺の幹が横に生えていてくぐったり、乗り越えたり、なかなか大変である。50mほどで草付きに出、ちょっとした岩場の下にルートがありそうに見えたので行ってみるとかすかながら踏み跡があった。それをたどり、もう一ヶ所ヤブをくぐり、ようやく北穂の池の雪田の上のガラ場に出た。この雪田が池のひとつ、この他に3つあって、合わせて4つの池があるようだ。そのうちの一つ、周囲30mほどの小さな池に到達、周りはコバイケイソウチングルマ、イワカガミ、アオノツガザクラなど、この季節でもまだ咲いている。人に荒らされていない静かないいところだった。この先北穂東稜への取り付きルートも確認したかったが、時間が遅くなったので引き返す。帰りもほぼ同じルート。ようやく夕暮れて来たので天幕を張る。幕営指定地ではないし、縦走路から丸見えなので余り早くテントを張るとレンジャーがやって来ないとも限らないので用心した。夜は晴れて星が見えたが朝方雨が降る不安定な天気が続く。

 

8月14日

天狗の踊り場(7:50)~ガラ場上端(8:30~8:50)~キレット稜線(9:15~9:40)~南岳(10:35)~天狗原のコル(12:05~12:50)~南岳カール黄金平(14:20)  (幕営

 

予定では北穂の東稜へ行くことになっていたが、昨日の偵察で取り付きまでヤブ漕ぎ含め、高度差があってしんどそうなのでズクをなくし取りやめて、一日早く右俣カールを目指すことにした。浜野さんは一日早く引き上げ、一人で左俣を下る。キレットの稜線に登るルートを観察したところ、A沢のコルへは急なザレがあって不安定で適当とは思えない。他はガラ場と草付きだが、南岳よりの浅いルンゼが傾斜も緩く易しそうなのでそこを登ることにした。カール底の雪渓からガラ場を登り、最後はお花畑の草付きで難なくキレットの縦走路に出ることが出来た。こういうルート選びも楽しい。鉄のはしごなどがついた縦走路を登り、小屋の脇を通過して南岳へ。頂上からは右俣のカールが見下ろせる。横尾尾根を下って天狗原のコル、ここで昼食。道はここから左、氷河公園の方に続いている。他の登山者がいなくなるのを待ったが次々にやって来るので、しかたなく目の前で反対側の右俣へのルートを探す。ここもキレットへの登りと同じような傾斜でガラ場と草付き、適当に歩きやすそうなところを選んで下っていく。小雨が降り、草丈が長いので合羽の上下を着た。やがて大きな雪田に達したが、この辺には水がない。さらに一段下ったところから水が流れ出していて、周りが緩い傾斜の草原になっている。そこにテントの張れる平地を見つけた。後ろの斜面から湧き出したばかりの水がさらさら流れる、すぐ横で格好のテント場。ここは黄金平と言うらしい、ちょっと窪んでいて他から見られることもなさそうなので焚き火も出来る。テントを張って、薪を集め焚き火にかかるが雨で湿っていてなかなか燃え上がらないので苦労した。ようやく燃え出した焚き火の横で夕食の準備をしていたら、下から2人のパーティーがやって来た。やはり、ここの幕営を目的にやって来たようで我々から30mほど離れた草原にテントを張った。夕食が終わるころポツポツ始まったかと思ったら、急に激しい雨になってしまった。焚き火もおしまい、早々にテントに避難して食後のお茶にした。連日の雨でシュラフや着ている物が湿っぽい、靴の防水がなくなって靴下などはびしょびしょだ。雨は夜中降り続き、風も出てきた。

 

8月15日

黄金平(7:10)~フィックスの滝(8:05)~横尾本谷二俣(8:30)~涸沢出合(9:15)~本谷橋(9:50~10:30)~横尾(11:15)~上高地(14:40)=鉄驪荘泊

 

雨は明け方まで降って、これは合羽を着て脱出行になるかなと心配したが、5時半頃にあがってくれた。日も射してきて屏風岩に朝日があたり、どうやら今日もなんとかなりそうだ。撤収して右俣の谷を下っていく。テント場のちょっと下と二俣の上の2ヶ所が急でちょっとした滝場になっている。最初の滝は左岸のブッシュから捲き気味に下り、2ヶ所目はフィックスが張ってある。支点がちょっと不安定だったので、太い潅木の幹に結び換えておいた。あとは適当に左岸右岸を渡り返しながら下り、二俣に着いた。ここからは1回通ったところ、谷幅も広いので安心して歩く。本谷橋手前で昼食休憩、河原の石に濡れ物を広げて乾かす。本谷橋からは一般登山道、登山者が大勢行きかう中をどんどん飛ばして下りた。横尾で浜野さんに連絡、無事下山を確認。アルピコにも電話、迎えのタクシーを頼む。上高地までまた小雨が降ってきて、またまた傘をささせられた。横尾~徳沢を40分で歩くなど飛ばしすぎたが、明神でビール飲んで、あとはのんびり。沢渡で風呂に入って汗を流し、今夜の宿、鉄驪荘へ。ところがちょうど諏訪湖の花火大会にぶつかってしまい、長野道が大渋滞。6時過ぎには着くだろうと思ったのに8時を回ってしまった。

 

浜野さんの二人の孫が元気に走り回るのを眺めながら朝食、Uターンラッシュが始まる前にと午前中に帰京した。横尾本谷は繁華街の中のエアポケットのような静かないいところ、念願の北穂の池にも行けてまずまず、いい山だった。