0708仙丈沢合宿

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0708仙丈沢合宿

参加者  浜野宏明   木邨光宏   大谷尚史   内田正明   

               片岡ひとみ   伊東 毅

8月8日
夕方、鉄驪荘集合、今年の夏山は南アの3000m峰仙丈岳東側、野呂川から小仙丈沢を登り、大仙丈沢を下るバリエーションルート。やさしい沢だが標高差1200mが厳しい。

8月9日
鉄驪荘発(8:00)=芦安(9:3010:40)=広河原(11:40~12:20)=野呂川出合(12:40)~小仙丈沢出合(13:20) 偵察 幕営

入山初日はベースの小仙丈沢出合まで、野呂川出合バス停から1ピッチ弱なのでゆっくり。天気は本格的な夏型で安定している。浜野車と伊東車で芦安温泉ロッジの駐車場へ。さすが夏山シーズン第3駐車場は満車で第4まで下ろされる。広河原でバスを乗り継いで野呂川出合、立派な林道を40分、小仙丈沢出合到着。まず幕場の偵察、下方に張れそうな平地があるが林道から見下ろされるので気分は良くない。上流を探すと堰堤を越したところに林間の平地があったので、ここに決める。林道から5分ほど、時間があるのでスコップで地面を平にならし、快適なテント場を作る。流れはすぐ横、流木が散乱していて薪に事欠かない、絶好の幕営地だ。初日の行程が短いので重量を考慮せずクーラーボックスに牛肉やらうなぎやら大量に持ち込み、Essenはたっぷり。3時頃から宴会を始める、ビールにワインに白波原酒、メニューは大谷得意のステーキとそうめん浜野オリジナル、8時頃には就寝。

8月10日
起床(4:00) 出発(6:20)~F22090m(7:30)~F32170m(8:10)~F3上休憩(9:45)~二俣2540m偵察・昼食(11:20~12:00)~最後の水場2700m (12:15)~カール(12:40)~稜線登山道(13:20)~2900m(13:35)~仙丈岳頂上(14:05~4:20)~二重山稜下降点2930m (14:30)~大仙丈沢ガレ場(15:30)~2640m(16:10)~水流(16:15)~伏流~再び水流2200m (16:55)~ビバーク地点(18:20) 2000m

今日は1200mを登って下りる、出来れば幕場に戻って来たいが、無理なら大仙丈沢でビバークの積りでツェルトとシュラフなど持って行く。出発して暫くは平凡な河原歩き、5~6mの傾斜のある滝、一応F1を過ぎて間もなく、地図に載っているF2、10mほどの直瀑が現れる。右側のルンゼを登りブッシュに入って高捲く、しっかりした踏み跡がある。越えたところで休憩、さらに行くと4段?のF3、下の2段は問題ないが、上の段は簡単でない。左手前で沢が分かれていて、そちらは登れそうだが本流から離れすぎるような気がする。滝の右手にルンゼがあってこれも登れそうだが、最後がヌルヌルの壁でいやらしそうだ。正面左に細い水流があり、その左が登れそうなので、まず木邨がトップで取り付く。途中までは問題ないが上部の凹角状のところで行き詰る、傾斜がきつくホールドが乏しいところにもってきて荷物が重いので身体が上がらない。伊東が空身で交代、凹角から右手のカンテに出て2mほど登り、また凹角に戻って登りきった。30mザイルが少し余っただけなので、高さは20mほどか、しっかりしたテラスに出てザイルをフィックス、後続はプルージックで登る。ルートはこれが良かったのかどうか分からない、やっぱり左手前の沢から捲いた方が良かったのかも知れない。まずは悪場を通過、この上はルートファインディングが問題、カール直下の二俣で水量の多い左に入ると這い松のヤブ漕ぎをやらされるそうなので、慎重にルートを見極めて進む。紛らわしいところでは空身で偵察したりして、マルバダケブキが咲く最後の二俣を通過、その上に思いがけずナメとも滝ともつかないゆるい滝場が現れ、さらに登るといよいよ源流の雰囲気、水量も減ってくる。カールのモレーンの下で水が湧き出していて、その上は伏流になっている。これが最後の水場、まだ時間が早く大仙丈沢へ入ることは間違いないので大量の水は要らないが、休憩して水を補給。その上は水のなくなった沢をひと登りで小仙丈カールに出る、ゆるやかな稜線に囲まれたいいところだ。季節が遅いのか、余り花は咲いていない。天幕を張るのにいい平地もある。計画段階ではここに1泊しようかと思ったのだが、時間が中途半端になるのでやめにした、ちょっと心残りだった。カールからは右手、小仙丈岳からの稜線へ上がるガラ場を登り、コルの少し先2900m付近の登山道に出た。仙丈岳へはひと登り、一応頂上を踏んで大仙丈沢へ向かう。ちょっとした二重山稜になっているところが下降点、すぐガラ場が始まる。広いガラ場で踏み跡もいくつかあるが、岩が不安定で歩きにくい。真っ直ぐ下っていくと這い松帯にぶつかるので左へ左へとトラバースして行く。1箇所30mほど這い松帯を横切るところにも踏み跡があった。その下、黄色い花が咲いているあたりに来るとようやく岩も安定して歩きやすくなる。1200mの沢を登って下るのでロートルパーティーとしてはさすがに疲れが出て、下りと言えどもピッチが落ちて時間がかかる。出来ればなんとか小仙丈沢の幕営地まで戻りたいと思ったが、この調子では難しそうだ。沢とは言えガラ場の連続で水はない、もう少し下って2500mあたりで右手に水流が現れた。でも傾斜が強くビバークするような平地はない。目の下に緑の草原のようなところが見えるので、そこまで行けばと思ったが、水流はガラ場に吸い込まれて伏流になってしまい、平らに見えた草原も行ってみればかなりの急斜面、これでは寝られない。さらに下る、2200m付近でまた水流が現れ、沢らしくなってくる。林道まではあとわずかだが、ピッチはさらに落ち、日没までには間に合いそうもない。どこかツェルトを少しでも快適に張れる場所はないかと探しながら先行して下り続け、ようやく2000m付近の樹林帯にいくつかの平地を見つけた。全員到着したのは日没寸前、バタバタとツェルトを3張設営、暗くなった中薪を集めて焚き火、飯の支度をする。もう少し余裕を持って泊りの用意が出来ればいいのだが、止むを得ない。飯はマーボー春雨、疲れて胃の具合も悪く食欲がない。みんなも疲れてアルコールも進まない。雷のような音が聞こえ、雨が落ちてきたかと思ったが、降るまでには到らずほっとした。

8月11日
ビバーク地点発(6:35)~林道(6:45)~小仙丈沢幕場(7:10) 撤収(8:00)~野呂川出合(8:50)=バス(9:55)=広河原(10:15)=ジャンボタクシー=芦安=旧白根町天恵温泉

=韮崎十割そば=韮崎駅=鉄驪荘

昨日のビバーク地は大仙丈沢の二つ目の堰堤の上、林道まではあとわずかだった。小仙丈沢の幕場に戻り、撤収、野呂川林道を戻る。今回は釣竿を持ってきたので小仙丈沢でテンカラを振ってみたが、あたりはなかった。本流ならいるかも知れないが林道からかなり下なのでそこまで行くズクがなかった。野呂川出合のバス停では釣り師の姿も見られ、両俣小屋からきた人の話では今でも岩魚がうようよいるそうだ。広河原までバス、広河原では乗り合いのジャンボタクシーが待っていて、バスより100円違いで早くて快適と言うのでそちらにした。なるほどおしぼりと缶コーヒーのサービスが付き、なにより車がある第4駐車場まで行ってくれるので助かる。旧白根町の天恵泉桃源天笑閣・ヘルスピア白根というところで汗を流す、かけ流しの源泉が冷たくて気持ちがいい。韮崎の十割そばの店で昼食、明日泊り勤務の木邨と内田はひと足早く、韮崎駅からJRで帰京。残りの4人は鉄驪荘に戻り、もう1泊。

8月12日

帰京、お盆の帰省ラッシュが始まるので早めに帰る、おかげで高速もスイスイだった。

3000m峰を沢から登り沢を下る今回の計画、大体予想通りだったが、やっぱり1日では余裕がなさすぎた。当初のプラン通り、ゆっくり登ってカールに泊るのが正解だったかも。