奥多摩 水根沢、つづら岩、三頭沢

奥多摩 水根沢、つづら岩、三頭沢

 

主装備    ザイル40m、三つ道具、ツエルト、グランドシート、ラジウス、バーナ                     ー、石油、アルコール、エッセン、ほか

個人装備 キスリング2尺4寸、サブザック、シュラフ、わらじ、その他夏用装備

 

費用  当日    910円

    エッセン  360円

    菓子等   300円

 

5月18日 水根沢

 

 鹿野勝彦(2年) 木邨光宏(1年) 伊東 毅(1年)

 

新宿(5:53)=立川(6:33~6:40)=氷川(8:05)=水根(8:20)~入渓(8:40=9:00)~小休(9:55~10:05)~ザイル出す(10:30)~昼食(11:45~12:10)~林道~水根~小留浦~大沢入

 木邨遅刻、けちのつき始め、天気は持ちそう。氷川、水根までスムーズに接続。水根より歩いて20分ほど、谷に下りる。ザックを置いて、サブを作り出発。水量は相当多い。まずは普通の沢、滝はあまりないが、あっても釜があったりして、取り付けないのが多い。小さな滝が続くところを捲いていくが、高捲きの最中、一度バランスを崩して転び、灌木をつかんだ時に、右手親指を突いて、左手下腕を打撲、ちょっと怖かった。もう少しのところで、沢身まで滑落するところだった。これでどうもファイトをなくした。

 続いて出てきた滝の手前でザイルを出す。鹿野さんは山靴をわらじに替える、他の二人はそのまま。悪いへずりをザイルで強引に抜け、大滝と思しき滝の下に出る。滝つぼを木を渡して渡るが、靴の中に水が入ってしまった。ザイルでジッヘルしてこれを登り、昼飯とする。大滝と言っても急ななめのような感じ。岩が水に濡れ、苔がついて、ビブラムでは不安をきわめる。

 昼食後はコンティニアスで遡行を続ける。へずり、高捲きを続けて行くが、時間がかかる。コンテに不慣れなこともあるが、かかり過ぎの感じ。いいかげん遡行を続けていくが、自位置の確認がよくできない。あまり滝らしい滝がないからだろう、それに谷筋が狭く、暗いせいもある。小滝が続くが、やはり苔で不安。2mほどの滝、その時はザイルをしまっていた。鹿野さんはわらじで越したが、釜に足を入れながら、取り付いて、落ち口へ出るところで苦戦、落ち口の水中の足を入れるが苔で滑って、とても立てない。今立っているスタンスも細かく、濡れていて不安。少し手間取っているところで、上からザイルを出すと言ってくる。どうも、そんな余裕のがない場所だったので、一応断ったが。それでもどうしようもないところだったので、なんとかなるだろうと、ザイルをつけることにする。しかし、ザイルをつかんで身体に結ぶべく左手を岩から話したときに、バランスが崩れ、右手はフィンガーしかかからないところだったので、あっという間もなく、身体が岩から離れ、滝つぼに飛び込んでしまった。

 胸までつかって、岸に上がるが完全な濡れネズミ、衣類を脱いで、セーター、ヤッケを着ける。そこは下からザイルをつけて引っ張り上げてもらうように登る。完全にファイト喪失、けがはなかったが、全然面白くなかった。もう少し、なんとかなったろうに、ザイルがなくてもなんとか登れただろう。あの場所でザイルを操作するのは無理だった、もう少し慎重であるべきだった。焦っているようなところもあった。いずれにしても、あんなところで落ちるとは、悔しかった。

 その後も同じような沢相で、高捲きが続く。そして最初に仕事道が沢を横切っているところで、沢から上がった。左岸に林道がある。上部の核心を残して引き返す、3時を過ぎていた。林道を下ると1ピッチで入谷地点に戻ってしまった。なんとも妙な感じ、山靴で登る沢ではない、わらじなら快適であったろう。丹沢の沢とはずいぶん趣が違う。岩登りというよりへずりばかりのような気がした。とにかく感じのよい沢ではない、残してきた上半部にも未練はなかった。

 入谷地点に戻って、キスリングを背負い、水根からバスで小留浦へ。1ピッチほど歩いて幕営地点に着く。ツエルトを張って、飯を作るが、落ちたことが悔しくてならなかった。ツエルトは快適だが、衣類は乾かない、ヤッケとセーターのまま眠る。

 

5月19日 つづら岩

 

  牧野内昭武(3年)小沢恒雄、井上浩三、鹿野勝彦 平松 恒(2年) 

 木邨光宏、伊東 毅(1年)

 

大沢入~大ダワ~つづら岩~千足~本宿

 

 ツエルトは快適でよく眠れた。曇ってはいるが、なんとかもちそうだ。大沢入を遡って大ダワに出、凸凹の激しい稜線、大岳は大きく捲いて馬頭刈尾根を下る。3ピッチでつづら岩に着く。日帰りパーティーの牧野内一行は既に着いていた。岩の上に乗って、少し休む。

 ザイルパーティーは伊東と小沢、牧野内と井上と木邨、鹿野と平松の3つ。岩壁右端の第一ルート、鹿野、牧野内、小沢の順に取り付く。別に怖くもなく登れたが、どうやって登ったのか夢中だったので、覚えていない。ただ速く登ろうと焦っていたような感じだった。多分腕力を使った登りだったろう。もっとゆっくり登りたかった。  

 セカンドが登る時、上から引っ張り上げるので登りにくい。身体が岩についてしまってバランスも何もない。練習中ぐらい、自分で登るようにすればいいのに。それに昨日の苔の感触が残っていて、スタンスに思い切って立てず、フリクションも怖くて使えなかった。というわけで、とにかくあまり気持ちのいい岩登りじゃなかった。

 登り終えて昼飯、下から別のパーティー3人が取り付いてくる。飯の跡はアプザイレンの練習、岩の上の木をピンにして、10mほど下りて、また登ることを繰り返す。3回ほどやったが割と面白かった。出だしがちょっと嫌な感じだが、ルームでやった時よりスルスルとザイルがすべってくれた。

 今日はそれでおしまい、なんだかあっ気なかったみたい。岩の下から、すごく急で滑る道を千足沢へ、木の根、草の根につかまって下りる。千足からのバスはすんでのところで行ってしまったので、本宿まで歩く。木邨と2人は明日、三頭沢へ入る予定なので、数馬まで入りたかったが、これから行くと遅くなって、炊事など面倒なので、秋川の河原近く、御稲荷様のあるところでツエルトを張った。少し湿っぽくて快適なプラッツとは言えないが、しかたがない。キツネが化けて出ぬように。みそ汁が美味かった。

 

 5月20日 三頭沢

 

  木邨光宏、伊東 毅

 

起床(4:00) 本宿発(5:55) 数馬(6:50)~入谷(7:10~8:20)~大滝下・昼食(12:00~13:00)~三股(13:50~14:40)~三頭山頂(15:20~16:30)~数馬(17:30~18:32)~五日市(19:50)

 

 一番のバスで数馬に入る。サブを作り、バス停前の売店にキスリングを預ける。大変親切で、ザックをわざわざ縁側にゴザ、それも新しいのを敷いて、いたわってくれた。あまり申し訳ないので。ジュース缶を買う。

 大平橋を渡って少し行ったところで沢に下りる。今日はわらじに履き替える。すぐ18mのナメ、広くてきれい、楽に越える。明るい沢、続々とナメ、小滝が現れるが、みな軽く越せる。1年生同士で気楽でいい。しかし、休み時間が長いせいか、時間のわりに捗らない。わらじは全く楽である、水の中にザブザブ入って行けるし、フリクションがよく利く。中ほどに現れた2段の滝、困難な滝とガイドブックにはあったが、わらじのフリクションを最大限使って登りきれた。水をかぶり、だいぶ悪かった。山靴では全然手が出ないだろう。木邨のガイドブックには直登不能とあって驚いた。それでもとにかく、木邨も登ったし、不能ではありえない。

 続いて、またいくつか、気持ちの良い滝が続くが、楽に越せるものばかり。ちょっとした廊下を抜けると8mくらいの滝。ここで水の中を歩いていて、浮石に乗り、石の角で左足を切った。つまらないことをしたものだ。応急手当をして血を止め、その滝を登ったところで昼飯とする。すぐ上には25mの大滝。水がダイレクトに落ちているわけではないが、なかなか見事だ。

 昼飯はパンとクラッカー。食べ終わってから、偵察を兼ねて滝の中途に登って、ハーケンを打つ練習をやってみたが、あまり身が入らない。ガイドブックには、途中でトラバースするように書いてあるが、右はそのまま登れそうに見える。トップで取り付く、下の方はなんでもない。水線沿い、終始右を登るが、ここはルートかどうか、ちょっと嫌なところもあった。水を相当被る、水線を離れれば、岩が角ばっていて、楽そうだったが、どうもあまり面白くなさそうなので、水の中を登る。最後のところでは、少し足がばてて、水にぬれたので、感じが悪かった。わらじは細かいスタンスに立ちにくい、立てても指の力がいるので疲れる。びしょぬれになって、ようやく登り切った。とにかく高いので、落ちるのが怖かった。今まではそんなことはなかったのだが、ザイルがあったら、と思うところもあった。こんな岩では山靴の方が安心感があったかも知れない。

 とにかく、これで滝場は終了、ほとんどの滝を登った。まあ、実力相応の沢だったのだろう。河原を歩いて三股へ、ここでわらじを脱ぎ、チョコレートなど食べる。伐採で明るすぎる仕事道を歩いて、数馬峠からの稜線に出て、三頭山頂に。新緑がなかなか綺麗だった。三角点のあるピークに登って、昼飯の2を食べる。寝転んで薄日に当たる。シャツはまだ濡れている。日曜なのに、意外に人が少ないのが嬉しかった。

 下りは軽く大したことない。下の方で新緑のきれいなところがあった。簡単に数馬まで来て、バスの時間まで1時間、アイスクリームなどを食べる。最終のバス、ハイカーで混んでいた。

 

反省(略)