0907南ア笊ヶ岳

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0907南ア笊ヶ岳

参加者   木邨光宏   大谷尚史   伊東 毅

7月22日
新百合発(7:30)=宮前平駅(7:50)=東名川崎IC(8:00)=清水IC(10:00)=畑薙第1ダム下(13:30~14:30)=東海フォレストバス=椹島ロッジ(15:30)

去年の秋、腰痛発症のため取りやめた笊ヶ岳の再企画。東名清水から安倍川支流を溯り、笠張峠、富士見峠の長い山道を越えて井川ダムへ、何もない道だが途中にあったじんすけという茶店でカツどん昼食。畑薙第1ダム手前に東海フォレストのバス乗り場があった。広い駐車場に車を止め、テント張りの受付で入山届を書いてバスを待つ。他にも3~4組お客がいた。沼平から少し先で林道は舗装なしになるが悪い道ではない。天気はまずまず、日も射して途中赤石沢の出合から赤石岳の頂上も見えた。約1時間で椹島着、林間の広い平地に建物がいくつも建っている。受付して食券をもらって部屋に入る。6畳ほど、3人でちょうど、中はきれいでトイレは水洗ウオッシュレット、風呂もある。別棟のレストハウスで生ビール、ワイン、つまみは例によって大谷がいっぱい持って来た。テラスの前は広い芝生、テント場になっていて気持ちのいいところだ。敷地内には白旗志郎の出来たばかりの展示館などもあり、従業員も親切でなんとなく余裕がある感じ。この大井川流域は全て東海パルプの私有地で、今は林業は全くやってない。宿泊代も高くないし、送迎バスの運行などで儲かっているとは思えないのだが、どういう仕組みになっているのだろう。夕食後も部屋で少し飲んで7時には就寝、明日に備える。

7月23日
起床(4:30)朝食(5:00)椹島ロッジ発(5:40)~送電鉄塔(6:15)~1372mピーク(6:25~6:40)~1700m(7:25~7:40)~標柱(8:25~8:45)~第3の沢(9:30~9:55)~上倉沢泊地(11:00~11:40)~稜線椹島下降点(12:50~13:20)~笊ヶ岳(13:45~14:15)~椹島下降点(14:35)~上倉沢泊地(15:10)

朝食が5時というのはありがたい。コインロッカーに要らない荷物を預け、出発。滝見橋まで15分、渡ってすぐ笊ヶ岳の登山道入口があり、いきなり急登。鉄塔でいったんゆるくなり、1372mのピークあたりで1ピッチ、そこからまた急な登りだが、適当にジグザグがある。1857mの肩で左に曲がり、ゆるい登り。2020mのピークは北側を巻いて標柱のある明るい草地に出る。草と言ってもシダだが、天幕を張れる平地もある。ここまで3ピッチ、まずまずのペース。ここからしばらく2000m付近で巻き道に入る。第1の沢は苔の生えた静かな流れ、いい水場だ。もう一つ小さな第2の沢を越え、第3の沢へは50m近く下っていく。地図に水線がある沢で最も大きい沢、ここで昼飯の1。道はしっかり踏まれており、ところどころトラロープがあるが危ないところはない。第4、第5、6と沢を越え、長い1ピッチで上倉沢の明るいガレに出た。大きな沢だがガレで埋まって水はない。そこを渡って対岸の台地に登ったところが快適な草地になっていて泊り場になっている。今日はここに泊るのでタープを張って要らない荷物をデポする。ここには水がないが上倉沢を5分ほど下ると流れが出ているので、出かける前に今晩の水を確保しておく。6リットル+ペットボトル4、十分だ。ここから笊の頂上まではさらに2ピッチ、シラビソの林を抜けて涸れ沢をしばらく溯る。この途中で上から4人組の男女が下りてきた。今朝4時に椹島を出て、笊を往復してきたのだそうだ。1日でピストン出来ないことはないが12時間近い行動になる、ご苦労様だ。涸れ沢から左の林に入り、稜線まで標高差200m。このころから雨が降り出し、本降りになったので雨具の上下をつける。稜線にはガスがかかり、これでは頂上は登るだけになってしまうかと思ったがしかたがない。長い1ピッチで稜線の椹島下降点、腹が減ったのでここで昼食の2、木邨の猛烈に硬いくろがねパン、ドイツパンににんにくチーズ、大谷のレモンスライス、生のしょうが、みかんなど。稜線には転付峠方面にも道がある、笊は反対側、雨は上がったが両側のやぶが濡れているので雨具をつけていて丁度いい。200mほどで頂上、そこだけ少し開けていて東西の眺望がいい。到着してすぐガスが晴れだし、東の小笊が現れたかと思ったらその上に富士山も姿を見せた。小笊の上の富士は笊頂上からの定番風景、これが見られるとはまさにラッキーである。西側には大井川をはさんで南アの主稜線、左正面に三角錐の大きな峰が見える。どうやら上河内岳のようだ。その右手に大きな山があるのだが雲がかかって姿が見えない。聖・赤石・荒川と続いているはずなのだが残念である。でも雨の中登って頂上に着いた時に晴れたのだから言うことはない。下りは上倉沢まで1ピッチ、晴れているので焚き火用の薪集め、少々湿っているがなんとかなるだろう。着火材を使い、そだを燃やして火床を作り、太い薪もだんだん燃え出す。火の周りでまた一杯、ワインに焼酎、食料は軽量化したはずだがつまみがいっぱい。この泊り場は明るい上倉沢を目の前に眺めもよく、至福の時が過ぎる。晩飯はあまりいらないので大谷の昼飯の残りのおにぎり2個と豚キムチスープでおじや、終わってまた飲んでいたらポツポツやってきたのでタープに避難。ところがツエルトを張ってフレームを入れようとしたら、グラスファイバーのポールが1本折れてしまった。作って2年、これまでは大丈夫だったのに劣化したのだろうか。仕方がない、残りの2本で空間を作る。大谷と2人、木邨はツエルトは張らず、シュラフシュラフカバーにかぶせて使う。タープがあるからこれで大丈夫。だんだん雨が強くなってきたのでそのまま寝てしまう。

7月24日
起床(4:00)上倉沢発(5:40)~第3の沢(6:50)~第1の沢(7:20~7:40)~1460m(8:45~9:00)~椹島ロッジ(9:45~10:30)=東海フォレストバス=畑薙ダム(11:30)風呂「白樺荘」 そば「しばた」 帰宅

夜中雨が強くなりタープをたたく音が激しい。ツエルトのサイドが濡れてきてシュラフカバーも濡れるが、中のシュラフは大丈夫。木邨もタープから滴り落ちる水滴から顔を守るのに傘をさしたり、大変らしい。なによりトイレに行きたいがこの雨では出る気がしない。朝まで我慢を決め込む。今日は朝早く出て、出来たら午前10時半のバスで帰ろうと早起きの予定、4時起床。まだかなり降っているが少し小降りになった。タープの中で朝飯、アルファ米に鶏ごぼうと卵スープでおじや。雨があがったので撤収、水を吸って重くなったザックをかついで、雨具をつけて出発。問題はトラバース道の6つの沢の横断だ。最初の第6の沢、増水・白濁して流れが強い。木邨がザイルを出している間によく見ると渡れそうなところを発見、ザイルなしで突破した。次の第5の沢は1m余りの激流を跳び越すところで念のためザイルを使う。第4の沢もなんとか越え、問題は最大の第3の沢である。これが越えられなかったら右手の斜面を登って生木割山からの尾根に出て稜線を下るしかないだろう。そうなると300mくらいは登らなければならないので大変だ。心配しながら第3の沢に近づくと、流れは広いがその分浅く、勢いもそれ程でない。ザイルも不要で簡単に渡ることが出来た。これでひと息、あとは第2、第1の沢だが、こちらはもともと浅い沢で、このころには雨も上がってきたので全く問題がなかった。やれやれ、ほっとひと息、脱出成功である。第1の沢を越えたところでひと休み、あとは山道を下ればいい。予定時間通り10時前に椹島に到着した。帰りのバスの受付をして、日が射してきたロッジの前で濡れ物を広げて乾かす。ついでに下着も乾いたシャツとパンツに替えてさっぱりする。バスは10時半定刻、ロッジの従業員が手を振って見送る中出発。朝まで相当の雨がふったので林道や下の国道もどうかと思ったが、こちらも大丈夫だった。畑薙ダム下のバス乗り場に到着、すぐ下に新しく出来たばかりの日帰り温泉「白樺荘」で汗を流す。つるつるしてアルカリ泉のようだ。すっかり晴れて露天風呂から茶臼・上河内らしい稜線が見える。帰りの昼飯はまた「じんすけ」ではないところと探したが見つからず、安倍川の谷に下りたところで、ようやく「しばた」というそば屋を見つけた。静岡のそばはどうかなと思ったが手打ち風でまずまずの味だった。清水ICから東名、ものすごい雨になった、九州・山口で集中豪雨だが、なんだかおかしな天気だ。懸案の笊ヶ岳、変わりやすい天気の中でいいタイミングで頂上に登り、気持ちのいい泊り場、大雨・増水はあったが結果的にいい山だった。大井川流域はちょっと遠いが椹島ロッジもいい感じだったし、また行く価値はありそうだ。