0409奥秩父滝川谷豆焼沢記録

 


参加者  内田正明   木邨光宏   伊東 毅

9月10日
新百合ヶ丘発(6:00)=府中本町駅(6:35)=豆焼橋駐車場(8:20~9:00)~道迷う~トオの滝(10:54~11:25)~
十字三俣~2段7m(11:48)~4m滝(11:57)~5m滝(12:05)~昼食(12:08~12:24)~大滝下(13:07)~大滝上(13:30)
~2段7m(13:50)~4段20m(14:05)~幕営地(14:25)

府中本町で内田、木邨と合流、中央道勝沼ICで下り、雁坂トンネルを抜けて豆焼橋たもとの駐車場出会いの丘へ2時間足らずで到着。天気はまずまず、薄日がさすくらい。豆焼沢へは事務所の裏からヘリポートに出て、その隅から踏み跡を辿って作業道に入るのだが、ここで道を間違える。途中で踏み跡がなくなって急斜面にかすかにらしきものがあるが、とても作業道ではない。このまま沢に下りるとホチの滝など下部ゴルジュ帯に出てしまう。おかしいので元に戻って探したら、右上に登って行く道を発見した。約40分のロス、作業道はしっかり整備された道で、標高差200mぐらい登ったあと山腹をまいて行くとコンクリートで固められたトウガク沢に出る。トウガク沢の橋を渡ってトンネル横から少し下りたところに、また道があった。道は所々崩れているが、ようやく豆焼沢、トオの滝の下に着いた。ここで沢支度して入渓、最初のトオの滝は左手(右岸)の道を通って捲き、しばらく行くと十字三俣、左右から沢が合流している。ここに幕営適地があるということだったが、見たところ狭いし、流れに近すぎるようだ。このあたり平凡な河原が続いたあと2段7mの滝に出る。ネット記事には右岸の草付きから捲くとあるが、釜を渡れば水流の右が登れそうなので木邨が取り付き、続く2段目は水流左を直登した。さらに4~5mの滝、5mの滝と続いて現れるがどちらも右側が登れる。ここで釣りをしている若い人に出会った。ちょうど我々が休憩、昼食をとっている間に先行しようとして足を滑らせ滝つぼにはまってしまい、ずぶ濡れになってしまった。ここで釣りを諦め下りて行ったがちょっと気の毒だった。その上のやや開けた二俣のテント場も狭い、いくつか小滝・ナメを越えると、いよいよ50mの大滝が現れる。下の方は沢幅いっぱいに広く水が落ち、上の方は岩の間をよじれるように細く落ちていて、なかなかの迫力だ。登るのは思いもよらないので右岸の樹林の急斜面から高捲き、踏み跡がたくさんあるが、どこを登っても良さそうだ。かなり登ったあと、小さなガリーを下りて滝の上に出た。上から覗き込んでもいちばん下までは見えない。大物を通過してホッとする間もなく、すぐ上には悪いと言われる2段7mの滝。左岸、取り付きのスラブがつるつるで難しい、はずなのだが、内田が取り付いたと思ったらすいすいと登ってしまった。セカンド以下は念のためザイルを出したが、最初の一歩がちょっときついだけだった。結局ザイルを使ったのはここだけだった。全体に登れる滝と登れない滝がはっきりしており、捲き道もよく踏まれているのでやりやすい。このあともいくつか滝を越えて右曲がりのゴルジュの先に4段20mの滝、これも豪快で20m以上に見える。今度は左岸を高捲き、下りたところは、所謂幕営最適地だった。時間は早いが天気が悪くなって暗くなってきたし、この先に幕営地があるか不明なので張ることにする。今回新調したタープ、立ち木にザイルを張ってかけ、張り綱で固定する。2.8×3.6m、6畳くらいあるので結構広い。この下にツエルトを2つ張った。ちょうど雨が降り出したが大したことはないので焚き火をして外で夕食にした。内田氏用意のかわはぎのおじや、味はまずまず、でも飯が多すぎて食べきれず、残りは翌朝に回った。だんだん雨が強くなり焚き火も消えてきたのでツエルトに避難、6時過ぎだが寝てしまう。雨は8時ごろ激しく降ったが10時ごろにはあがった。ツエルトにシュラフカバーだが、ツエルトの内側に結露が甚だしく不快だ。通気性がないのが問題、入り口を開け放しておけばいいが、それでは保温が問題だし、これは今後の検討課題だ。

10月10日
起床(5:00) 出発(7:07)~両門の滝(7:25)~連瀑帯ゴルジュ(7:57)~3:1の分岐(8:15)~水源の沢ゴルジュ(8:32)
~登山道(8:48)~雁坂小屋(9:12~9:52)~ふくろ久保(10:57)~あせみ峠・昼食(11:52~12:30)~林道(13:12)~
豆焼橋駐車場(13:42)=みとみの湯=帰京

朝は昨日のおじやと餅入りラーメン、簡単にすます。出発してちょっとしたナメや小滝を越えると間もなく両門の滝、左右からナメ滝が合流して笛吹川東沢の両門の滝と似ている。右が本流、このナメは簡単に登れる、余り濡れないように流れの右側をたどるが、滝の上にもナメが長く続いて、このあたりが豆焼沢の白眉と言ってよい。次に現れた滝は木邨が正面突破、しっかりシャワーを浴びる。他の2人は敬遠して右サイドに逃げた。その上は階段状の連瀑帯、次々に流れが分かれるがまだまだ水量は豊か、最後のゴルジュも中を快適に登れる。このあたり、岩に苔がついて緑が目に鮮やか、ホールドの部分だけ苔がないのでルートがすぐ分かる。そして最後の二俣、右はガレ、左は雁坂小屋の水源の沢。左の方が快適、ぐいぐい登っていくと水源の取り入れ口があり、その下に登山道が横切っていた。ここで遡行終了、雁坂小屋までいくらもないので沢靴のまま登山道を行き、小屋の前で着替え、履き替えをした。小屋は無人で戸が閉まっていた。天気は回復して薄日が射すが、谷間には濃い霧が立ちこめて動かない。あとは黒岩尾根の道を下るだけ、先日の台風18号の強風であちこちで木が倒れていて時々道路をふさいでいる。雨上がりで道の左右にきのこがたくさん出ている。内田氏がきのこに詳しく、いろいろ勉強しながら歩いて行くと、道端に大きなかたまりになって生えているきのこを発見、これは食べられそうだ、ということで2株を採取した。下におりて街道端で開いているきのこの店で聞いたら「せんぼんしめじ」という上物だそうだ。そんな風でちょっと長い下りも退屈せず、豆焼橋到着、みとみ村の日帰り温泉に寄って帰った。「せんぼんしめじ」は帰宅して食べてみたが、味は普通のしめじに似ている。ちょっと開きすぎていたためか、やや風味に欠けたのが残念だった。奥秩父荒川水系の沢は初めて、トンネルが出来て幽邃さが失われたそうだが、豊かな森林に抱かれて水量豊富な滝・ナメが美しく、いい沢だった