上州武尊山

 

1963年2月

 

参加者   木邨光宏  伊東 毅

 

装備   ツエルト1、ラジウス1、石油、スコップ

     スキー、その他

 

2月25日 雪

 

朝上野発、久保(12:30)~上ノ原スキー場 設営(14:50~17:00) 就寝(22:00)

一番で出るはずだったが、目覚ましにも驚かぬ熟睡中で寝坊、しかたなく列車の中の木邨に電報を打って、急行で追いかける。水上で落ち合うと木邨は暢気な顔をして出てきた。藤原ダムを過ぎ、久保で下車、停留場前の売店でうどんを流し込んで、スキーをはいて出かける。雪の降りしきる部落を抜けて、山道に入った。エッチラオッチラ、スキーを押し上げて上ノ原スキー場に着いた。国鉄山の家に断って、上ノ原の原のはしっこに、ツエルトを張ることにした。最初から雪洞を掘る積りなので、雪の厚いところを選んで、雪を掘り始める。しかし、人が住めるほど大きくならないうちに地面が出てきてしまった。それで近くの木の枝などを集めてきて、屋根の梁を作り、その上にビニールシートをかけて雪で固定した。床や壁にも木の枝をめぐらして、保温の効率をよくする。2人中に入って、エアマットを敷いて座り、ラジウスに火をつけて夕飯を作る。なかなか快適である。寝るときはツエルトを2人でかぶって、シュラフに入る。まったく暖かくアンゲネームだった。

 

2月26日曇り

 

起床(7:00) スキー(9:30~12:00) 撤収(15:00) スキー下山(15:10~16:15) 久保(17:25)

帰京。

 

あまり良い天気でもない。登るか登るまいか考える。あまりファイトがない、ここでスキーをしていた方が楽しそうだ。昨日からもう、スキーをやりたいなムードになっていたので、何のことはない、結局、一日ここで滑って帰ろうということになった。そうなれば、また張り切って、スキーにシールを張り付けてゲレンデの一番上に登る。新雪を駆って直滑降からなんとかクリスチャニアまで、折から射し込んできた陽光の下で、2人だけの気楽さ、あらゆるスタイルでスキーを楽しむ。急斜面から勢いをつけて滑り降り、緩傾斜の新雪に突っ込んで、前方転回を一つやって、また立ち直って滑り続けるとか。それでも午後になると雪質が悪くなって面白みを減じた。夕方撤収、ザックを背負って滑り降りて行く。荷を背負うと木邨はだらしなくなってしまう。こちらは、それを尻目にジャカジャカ滑り降りる。何度も待たないと間があいてしまう。ゲレンデで空身なら上手なのに。また久保まで戻り、夜の水上温泉に向かった。