0404~05双六春スキー

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0404~05双六春スキー

参加者  木邨光宏   益崎健二郎   藤原国生   伊東 毅

4月29日 快晴
府中本町駅(6:40)=0国立府中IC(7:00)=塩尻北IC(10:00)=新穂高・昼食(11:00~ 12:15)~笠新道分岐(14:00)~わさび平小屋(14:35)

連休初日、心配された渋滞もなく、順調。快晴で山々がよく見える、向こう3~4日は天気が続くらしい。塩尻北で下り、予定より早く新穂高到着。途中そば屋でも、と思ったが安房トンネル過ぎには何もなし、新穂高バスターミナルの村営食堂のまずいうどんで昼食。車はスノーシェッド脇の無料駐車場に置いて出発。わさび平までの雪のない林道のためにスニーカーをはいて、兼用靴はスキーに付けてかつぐ、ずっしりと重い。左俣谷に入り、穴毛谷出合から雪が出たが、そのままスニーカーでわさび平まで歩いた。小屋は今日から営業、泊まりは我々含めて8人のみ。夕食は野菜天と肉じゃがなどなかなか美味しい。1泊3食(弁当つき)8,800円 缶ビール400円。

4月30日 晴れ
わさび平小屋(7:05)~秩父沢(8:40)~弓折岳下2450m・昼食(11:30~(12:20)~弓折岳(12:50~13:50)~双六谷2315m(13:50)~双六小屋(15:20)

朝食は6時、天気はいい、若干薄い雲があり、気温は高め。小屋からスキーをはき、左俣谷を登って行く。下抜戸沢に比較的新しいデブリが出ている。ブロック、底雪崩はこれからがピークなので油断は出来ない。秩父沢はきれいな状態でブロックはこれからだろうか。雪におおわれているが、ほぼ小池新道通りに登り、大ノマ乗越への沢と鏡平との分岐に来たが、乗越の右手、弓折岳側の稜線に雪庇が出ているので、安全第一で鏡平の尾根ルートをとった。浅い沢状の斜面を登り、弓折岳の直下で昼食。今日から4日間、小屋の弁当、インスタント味噌汁を用意して来たのが良かった。登るにつれて槍穂高・焼岳・乗鞍が見えてくる。このルートは大学2年の春山で通ったところ、あのころはワカンのラッセルだった。弓折からは稜線ルートもあるが、雪が風で飛んでいて歩かなければならないので、双六谷に下りるルートを探す。頂上の先の鞍部からゆるい沢が下りていて、これも下れそうだが、さらに右手の尾根も樹林がまばらでトラバース出来そうなので、出来るだけ高度をロスしないように捲いて行くと、もう一つ沢に出た。その先の尾根は針葉樹で藪漕ぎになりそうなので、この沢を下りて双六谷に出ることにした。雪はやわらかく滑りやすい、2日前に新雪が降って新旧まだらになっているが、引っかかって滑りにくいほどではない。双六谷には所々水が出ていて、かわいた喉を潤してくれる。小屋まではゆるい登り、最後に双六池の雪の原を横断して小屋に着いた。8時間余り、正味は6時間ちょっと、ロートルパーティーとしてはいいペースだろう。小屋は昨日開いたばかり、玄関は除雪が間に合わず、横の通用口から入る。この日の客は30人ほど、2段ベッドの8人部屋を占有、このあとも同じ寝床を使えたのでまずまず快適に過ごせた。晩飯の時間が7時すぎと遅いので、談話室で飲んでいると酔っ払ってしまう。晩飯のメニューはチキンカツなど、暖かいのがなにより。1泊3食9,500円、缶ビール500円

5月1日 快晴
双六小屋発(8:00)~丸山2854m(9:40)~三蓮頂上(10:05)~黒部源流・昼食(11:25~12:25)~三蓮小屋横稜線(13:05)~弥助沢モミ沢出合(14:05~14:35)~二股上台地(15:30)~双六小屋(16:45)

今日も快晴だが冷え込みはない。まず三蓮から黒部源流を目指す。双六岳には登らず、間の2854mピーク丸山へトラバース気味に登っていく。目の前に鷲羽が大きい、その後ろには水晶、登るにつれて黒部五郎や薬師、雲の平、さらに立山・剣が見えてくる。背後には槍・穂高連峰、北鎌の独標のトラバースルートが雪のバンドになっている。笠も見え、乗鞍・御岳も白山も見える。三蓮からの北側は絶好の斜面、傾斜も適当で好きなように滑れる。雪に埋まった三蓮小屋の手前から左へ、黒部源流へはさらに快適な斜面が続く。風もなく陽射しをあびて、まさに山スキー天国。岩苔乗越からの沢の合流点まで下り、目的地到着。ちょうど雪が割れて水が出ているので、湯をわかしてゆっくり昼食。毎日同じ弁当だがこうして食べればごちそうだ。午後は三蓮小屋の北、鷲羽とのコルに登り返し、反対側の湯俣川の源流、弥助沢を滑る。ここも快適で、あっという間に高度を下げ、まず漢字の樅沢出合。これを登って双六へ戻ることも出来るが、当初の予定通り、モミ沢の出合まで下る。途中から沢が割れ、流れが顔を出したが問題なく2030mのモミ沢出合、500mの下り。モミ沢は出合の少し上で滝が出ていて、その上のスノーブリッジが今にも落ちそうだったが何とか渡れた。これが落ちると浅いながらも渡渉しなければならないところだ。出合からは500mの登り、快適な滑降の後にはこの登りが待っている。これも山スキー、ゆっくり、ゆっくり登って小屋到着。今日は我々の部屋にも相客が入り、8人に。でも寝床は変わらない。夕食は野菜てんぷら他。

5月2日 快晴
双六小屋発(7:45)~双六岳山頂(9:05)~双六南峰(9:40)~双六谷二股(10:25~11:20)~樅沢岳下・昼食(12:00~12:45)~樅沢岳山頂(13:10)~東コル(13:35~13:55)~(モミ沢左俣滑降)~二股(14:05~14:35)~双六小屋(15:50)

今日もまた快晴、双六岳南峰のカールと樅沢の左俣を滑ることにして、まず双六岳へシールとクトーで登っていく。地図をろくに見ないで適当に登ったら、山頂の東2811mの方に出てしまい、雪のない露岩帯をスキーをかついで歩かされた。山頂からはまたまた大展望、笠が近くなり立派に見える。南峰からは槍穂高を正面に見るカールの斜面、写真を撮りながら滑降を楽しむ。そして双六小屋からの沢との合流点、ここは雪が融けて水流がでているので、コーヒーを沸かす。小屋の水は雪を融かした水でうまくないが、こうして要所々々で水が補給出来る。ここからは双六の池までゆるい登りで途中から右手、樅沢岳の雪のついた斜面を登っていく。縦走路は稜線だが雪がないので、なるべく雪のあるところにルートをとって行く。頂上の下、縦走路に出る前の雪面で昼食、今日はクラムチャウダー、あさり味のポタージュかな、温かくて美味い。樅沢岳の頂上に登ると槍が一段と近く、北鎌尾根が立派だ。独標へのルートが分かる。樅沢から先は両側が切れて、ちょっとしたスノーリッジになっている。ステップがしっかりついていて、雪の状態もいいので問題はないが少し緊張するところだ。降りついたコルが樅沢左俣のつめになっている。ここは余り滑る人がいないようで荒らされていない。傾斜もそれほどでなく、雪質もいいので快適に滑る。下の方でやや雪が重くなった。あっと言う間に二股に到着、ここから小屋まで300m余り、景色を眺めながらゆっくり登る。今日から双六小屋が企画したツアーの団体などが入り、混雑してきた。全部で100人ほどか、食事も2回に分けて摂るので後の組になると待たされる。談話室も満員、寝るところは変わらない。

5月3日曇り・霧
双六小屋発(7:15)~双六谷大ノマ分岐(7:35~7:50)~大ノマ乗越(8:50)~左俣谷出合(9:25)~わさび平小屋(9:55)~新穂高(10:30) 昼食=新平湯温泉ヘルシーランド=山形村唐沢そば=塩尻北IC=帰京

夜来強風が吹く、朝は濃い霧が風で飛んでいる。さしもの好天も終わりで、沿海州に前線をともなう低気圧があり、それに向けて南風が吹いているようだ。霧は双六谷から上がって来ており、多少雨混じりのようだ。益崎がゴアの雨具を忘れて来たので、降られるとまずい、フジクニの持っていた大きなポリのごみ袋に穴を開け、最低限の雨具を作って備えた。ところが飯を食って出て見ると、霧は相変わらずだが、雨は降っていない、これなら雨具はいらない、当人ともどもホッとした。視界は20mちょいか、でも何度も通ったところでトレールもあるので心配ない。傾斜のゆるい双六谷をほとんど直滑降で下りる。下に行くにつれ見通しがきくようになり、大ノマ乗越への分岐につく。元気な若者のパーティーも一緒になり、大ノマ乗越への登りは先に行ってもらう。スキーをザックにつけて、つぼ足で登る。高度差250mほど、直線的に登るので思ったよリ、短く感じられた。乗越に立つと左俣谷から霧が吹き上げて視界は良くない。登りに見ておいたので最初は弓折岳側の雪庇を避けて大ノマ岳よりの斜面を下り、100mほど下では逆に大ノマ岳側のルンゼを避けて弓折側の斜面を滑る。上が見えないので気持ちが悪いが、気温も高くないし雨も降っていないので大丈夫だろう。鏡平へ分岐する広い斜面に到っってホッと一息。視界も良くなって、あとは左俣谷へ向かってどんどん下り、出合の手前で休憩をとった。ここまで1000m弱、35分、下りは早い。途中、奥抜戸沢あたりか新しいデブリが出ていたし、この下の左俣林道にも来た時はなかったデブリがいくつか出ていた。雨は降っていないし、それほどの気温でもなかったのだが、この季節は油断が出来ない。わさび平でデポしたスニーカーを回収、そのまま新穂高まで下りる。雪は少なくなって所々、スキーを脱いだが、何とか穴毛谷まで滑り、その下は歩いた。駐車場横の河原で最後の弁当、風呂は新平湯温泉のヘルシーランド奥飛騨というところ。温泉っぽくないが空いていていい。安房トンネルを越え、塩尻へ向かう途中、山形村の唐沢そば集落というところの唐沢という店に寄ってみた。田舎やでたたずまいはいい、そばは自分の畑で獲れた粉を使ってまあまあ、だが、たれが薄く水っぽいのが難点。帰りの高速はUターンのピークになったのかあちこちで渋滞に遭遇した。
・天候に恵まれ、思い通り、会心の山行になった。
新穂高を早朝発って双六小屋まで1日で登る人も多いが、東京からの移動時間も考え、わさび平で1 泊、2日かけて登った。年齢・体力から正解だったろう。
鷲羽岳にも登りたかったが稜線に雪がなく、夏道が出ていたのでやめにした。鷲羽の池の方は滑れそうだが、下までつながっていないので、スキーには不向きだろう。
・黒部源流の岩苔乗越は魅力的なところだが、そこまで行くと帰りに弥助沢を滑るのが厳しくなるので止めにした。やむを得まい。
・黒部五郎も魅力だが日帰り往復は厳しい。営業している小屋の間隔が遠く、他の山域に行くのは困難。槍の肩が最も近いが西鎌の岩稜を越えねばならない。太郎平も1日で行く人や、やって来る人もいたが、みな若い連中で我々には難しそうだ。
・双六小屋の混雑を心配したが、左程ではなかった。スキーがほとんどだが、中にはピッケル・アイゼン組やボーダーも。
・3食つきの弁当は毎日同じで飽きる。パンなど少し持って行けば、と思ったが、荷物を減らしたかったので仕方ないか。
・味噌汁・スープは大正解、これで喉を通った。
・単独の若者で上高地から間ノ沢を登って西穂沢を滑り、白出を登って穂高小屋泊、奥穂から直登ルンゼを滑り、横尾の本谷から天狗原を通って槍の肩の小屋泊、槍の肩から千丈沢を滑って、硫黄尾根を越えて硫黄乗越に登って双六に来たと言うのがいた。なかなかのルートではあるが、いやはや、体力と技術に感心した。新井君のようなエクストリームスキーを目指しているのだろうか。