0309鋸岳~甲斐駒

 


   岩稜縦走から名峰へ、戸台から往復

参加者  浜野宏明   木邨光宏   塚田玲子   片岡ひとみ   伊東 毅

9月12日 
高根町浜野山荘集合

9月13日
浜野山荘発(6:00)=伊那IC(7:00)=戸台口仙流荘(8:00~8:25)=村営バス=丹渓山荘下り口(9:10)~
戸台川河原(10:00)~角兵衛沢出合(10:40~12:10)~横岳峠分岐(12:40)~大岩下ノ岩小屋(14:55)

浜野カーVOXYで出発、中央道伊那ICから高遠経由戸台口へ。芦安側が不通なので信州側からの利用者が多い。歌宿の先、丹渓山荘への下り口でバスを停めてもらい、下りた途端に驟雨が来る。雨具をつけて戸台川への道を下りかけたところで浜野転倒、足首を軽く捻挫してしまったが痛みは軽く歩けるのでそのまま行くことにする。樹林帯の比較的いい道で雨も程なく上がった。下りついたのは丹渓山荘の少し上、地図にある道を角兵衛沢目指して下る。間もなくそれらしき地点に着いたが、あるという標識がない。念のため、さらに下流まで見に行ったが見つからないので最初の地点で右岸に渡ると、大きなケルンがあり、赤いテープがたくさんあった。しっかりした踏み跡もあり、間違えようがない。横岳峠への分岐に大きな岩があり、これが角兵衛の岩小屋か?そう言われればそうかというようなもの水もないし泊まるにはむしろ不適だろう。樹林帯2ピッチでガラ場に入るが、石は安定しており歩きにくいことはない。間もなく右上に大岩が見え、その基部に大岩下の岩小屋があった。大きくハングした岸壁の下にテント2張りはゆうゆう張れ、奥の岩間から水が滴り落ちている。焚き火も出来、快適な泊まり場だ。5人天の他、木邨は個人用にツエルトを張った。このあと、関西弁の3人パーティーが来たがテントは下の樹林帯に張ったらしく、水を汲んで戻って行ったので、この日は我々の独占になった。夜は満天の星。

9月14日
岩小屋発(6:00)~角兵衛のコル(8:02~8:20)~第一高点(8:40~9:00)~小ギャップ(9:40)~鹿窓(10:00)~
大ギャップガリー下(11:10)~第二高点(11:40~12:20)~中ノ川乗越(12:50~13:10)~三つ頭・烏帽子分岐(14:30)
~六合石室(15:30)

4時起床、6時出発、急なガラ場を登り角兵衛のコルへ、途中いくつかテントを張った跡があるが、余り快適そうではない。コルから上は木の根を掴んでの急登、程なく第一高点。天気はどんどん良くなり、中央アから北ア、八ツ、仙丈甲斐駒など見える。逆方向から2人組が到着、第2高点方向には他にも人が見える。ガイドブックにも逆方向の方が鹿窓ルンゼ、小ギャップなどやさしいと書いてあるので、そちらを選ぶ人が多いのだろう。小ギャップは懸垂、安全環つきの支点があった。急登のあと小岩稜を越えると鹿窓に出る。穴の向こうをのぞくとルンゼの下に数パーティーが見える。声をかけて懸垂のザイルを下ろす。浮石だらけのルンゼで落石が多い。5人降りるまで30分ほどか、下のパーティーに待ってもらう。ルンゼから右手の草付きを下りて行くと対岸の岩場に細いバンドが見える。これが上のトラバースルートらしいが、草つきの踏み跡はさらに下へ伸びており、下り切ったところでルンゼは急角度に切れ落ちる滝になっている。対岸を見ると赤い標識があり、ルンゼの滝の落ち口にトラバースルートがあった。高度感があるので念のためザイルを出したがほとんど不要だった。ここを渡ると大ギャップから下りるガリーで、そこを渡って右の樹林帯の踏み跡を急登しばしで第2高点に着いた。この下のトラバースルートは第2高点から来れば間違いようがないが、第1高点側からは、分かりにくく上のルートを取る人も多いようだ。第2高点まで来れば核心部は終わり、のんびり昼飯を食いながら眺望を楽しむ。中ノ川乗越までガラ場の下り、乗越にはテント場がある。熊ノ穴沢上部もすごいガラ場、角兵衛沢よりは不安定に見えた。乗越から熊穴沢の頭、三つ頭を越えて六合目石室までの尾根は樹林帯の中、アップダウンが多く時間がかかる。途中で石室が見えてからも長かった。石室は樹林限界に近い巨岩のごろごろしている斜面に建っている。石を積み重ねた壁に屋根が乗っていて中は5m×6mくらいか、床はなく黒い土の上にテントを張る。水場は小屋の先のガレ沢を標高差100mほど下ったところに流れが出ていた。下り10分登り15分、木邨と2人で往復、十分すぎる量を確保した。この日、石室に着いたのは我々が最初だったが、続いて一人やって来て、縦走路にテントを張り、さらにもう一人角兵衛沢出合から来た若者が到着、これは石室内に張った。このあと日暮れ近くなって熟年の5人パーティー、尾白川本谷を登ってやって来た。うち1人が怪我をしている。岩場で落ちたらしい、ここまでは何とか来たが、痛そうで明日は動けるかどうか。そんなことで石室は満杯、我々は7時前に就寝したが、彼らは遅くまで食事やら何やらやっていた。

9月15日
六合石室発(7:05)~甲斐駒(9:20~9:45)~駒津峰(11:00)~北沢峠(12:40~13:10)=村営バス=戸台口(13:55)
=高根町浜野山荘=帰京

5時起床、7時出発、怪我人はやはり動けないのでヘリを頼んでいた。我々が甲斐駒への途中、警察のヘリが飛んで来て吊り上げて行った。甲斐駒への登り、1ヶ所岩場がありトラロープと太い針金が張ってある。頼りたくないのでザイルを出したが部分的に3級程度か。駒頂上は人だらけ、ここからは別の山だ。北沢峠まで地図のタイムより余計にかかったのは?何かの間違いか。峠に下りて缶ビール飲んでバスに乗り、仙流荘で風呂。高遠から杖突峠を越えて高根町浜野山荘。カレーライスほかをご馳走になり、RAV4で帰京、3連休の最後で中央道登り大渋滞、4時間余りかかって府中本町に着いた。天気に恵まれ、また一つ懸案だった鋸を踏破。変化もあり部分的に面白いが核心部は短く、北鎌の3分の1というところか。第3高点、大ギャップを通ればと思うが、そうなると本格的な岩登りになるし、そこまでしてもう一度、という気にはなりそうもない。