0611海谷山塊

 

 

0611海谷山塊

参加者  藤原国生   伊東 毅

11月3日
府中本町(6:40)=国立府中IC(7:00)=豊科IC昼食=白馬そば神=三峡パーク(13:10)~取り入れ口(14:25)~
海谷高地(14:40) 幕営(15:05)

信越頚城山地の北方に位置する海谷山塊、豪雪に磨かれた岩壁に抱かれた越後の上高地を訪ねる。3連休初日渋滞の中央道から長野道を豊科で下り、大町・糸魚川街道、天気はいいが水蒸気が多く山は霞んでいる。根知から三峡パークに入る、片道317キロ、昼食を除き約5時間。三峡パークには駐車場、キャンプ場など出来て観光客も多い。左正面に千丈ヶ岳の大岩壁を見ながらゆるい下りで海川渓谷へ、川を渡って右岸を登る。このあたり紅葉が見ごろで、すれ違う登山者、観光客も多い。やがて発電所の取水口、ここから上が海谷高地、広い河原が広がって、幾筋かに分かれてゆるやかに流れる川、周囲には樹林の平地もあり、幅は広いところで4~500m、長さは2kmほどの平が広がっている。どこでも張れそうだが河原は石ゴロゴロ、岸辺の林はやぶがひどく、天幕を張ったあとは見当たらない。取水口から500mほど上で探した結果、浅い流れの脇にやぶの薄い場所を見つけた。流れを渡った河原で焚き火、炊事が出来る。まずは理想的な幕営地、2人天の上にタープを張って設営、流れには石を放り込んで夜でも渡れるようにした。あとは流木を集めて焚き火、明るいうちからビールとワイン、のんびりくつろぐ。夕方まで通りかかる登山者はいるが他にキャンプをする人はいない、広い高地を独占状態。やがて十三夜の月が出た。

11月4日
起床(5:00) 出発(7:15)~1458m尾根取り付き(7:40)~尾根途中(8:10~8:30)~1458m縦走路(9:45~10:20)~
鋸山1631m(11:15~11:45)~1458m分岐点(12:30~13:00)~尾根途中(13:30~13:55)~海谷河原(14:17)~
帰幕(14:30)

今日もいい天気、さてどこに行くか、三峡パークから駒、鬼ヶ面と登るのが一般的なようだが、せっかくここまで来て戻ることもないだろうと、鬼面と鋸の間の稜線1458ピークに出る尾根を登ることにした。広い河原を上流に向かうと500mほど上流ちょっとした山鼻を回りこんだ河原にキャンプしている2人組がいた。昨夜は独占ではなかったようだが、この広い地域に2組だから、ほぼそれに近いと言ってよいだろう。尾根の取り付きにはピンクのテープがつけられて一目瞭然、ところがその上が大変だった。斜面が急な上に滑りやすい土で、普通の道のような段差がない一様な傾斜なので足首がきつい、気を抜くとズルッといく。ストックもゴムプロテクターを付けているのでこれもツルッといく、まさにアイゼンが欲しい。200mほどで若干傾斜が緩んだが、登りにくい道が続いた。2ピッチで稜線、ここから鋸山に向かう、しばらく行くといわゆるキレット、垂直の岩場に5mほどのハシゴがかかっている。昔フジクニが来た時はペラペラのハシゴで恐ろしかったということでザイルを用意して行ったが、現在はしっかり固定されている。でもこの前後の岩場を含め、先ほどまでのスリップしやすい足許の記憶が残っていて、妙に腰がひけてバランスが悪い。稜線は左右が切れ落ちていて、景色はいい。左は海川の谷をはさんで阿弥陀山、鉢山、昼闇山、焼山、火打など、右手下に梶山新湯、前方に雨飾山、遠くには北ア朝日の北方稜線が見える。振り返ると鬼ヶ面山と糸魚川の街、そして日本海が広がっている。右手からフィックスザイルが下がっている梶山新湯からの急峻な道を合わせるとすぐ鋸山頂上に到着。前後して他に3パーティー、4人が山頂に来たが、3連休にしては空いている山だ。さすがにこれだけ遠くまで来る物好きは少ないということか。このあと戻って鬼ヶ面、駒へ縦走するのは時間的にも体力的にも厳しいので、もと来た道を帰ることにした。そうなると時間がたっぷりあるので、山頂で昼食、海谷への分岐点でも湯を沸かすなど、のんびりした。分岐点から海谷への下りはまたまた急、滑らないように足に力が入る。天幕に帰って薪集め、乾いた流木をどっさり集め、今日も明るいうちから焚き火を始める。ビールとラムをちびちび、フジクニがピーマンのベーコン炒めを作る、つまみが豊富で飯はいらない。また月が出て星が出て、いい気分、今日は他にテントなし、完全な独占。

11月5日
起床(5:30)撤収・出発(8:25)~三峡パーク(10:00)=姫川温泉朝日荘=昼食・そば神=帰京

今日は帰るだけ、ゆっくり撤収して出発。今日もいい天気、海谷渓谷の紅葉を愛でながら下っていくと登ってくる大勢の人とすれ違う。みんな海谷高地に遊びに行くのだろう、日帰りのようだ。ところで今年は各地で熊の出没が相次いでいるので、初めて熊よけの唐辛子スプレーを用意して行ったが、熊は現れなかった。アメリカ製(?)の長さ15センチほどの円筒形、Sledge Hammer、OC15%,Net4oz。本当の熊用はもっとずっと大きいのだが山に携帯するのには向かないので小さい方にした。護身用だが、まあお守り代わり、ないよりはまし、と言うところか。5500円もしたけど有効3年だって言うから、また使えるからいいだろう。帰り、平岩駅に近い姫川温泉、朝日荘で入浴、600円、岩風呂で空いているのがいい。屋上に露天風呂もあって気持ち良さそうだったが岩風呂から服を着ないと行けないので誰も入らない。昼は行き帰りとも白馬のそば神、新そばがうまかった。比較的早めに帰ったのだが中央道渋滞、1時間近く余分にかかった。海谷は本来残雪期の山、やぶが埋まればあちこち自由に歩き回れるし、スキーが使えれば楽しそうだ。