0910栂海新道

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0910栂海新道

参加者   木邨光宏  大谷尚史  伊東 毅

10月13日
府中本町駅集合(7:50)=国立府中IC(8:00)=塩尻北IC(10:30)=買物、そば=鈴蘭(12:30)=VSA(13:30)

北アルプスから日本海へ、念願の栂海新道。その前にVSAの冬便の洋式便座の運搬、取り付け。いつものように山形村イオンで買物、いがやでそば、のあとVSA入り。トイレ改良は大成功今後のVSA生活の快適化に役立つことを期待。ストーブの下の台から煙、前にもあった裏の板の過熱。ストーブの足に角材をかませ応急処置、根本的な対策が必要だ。夕食はすき焼き、大谷のエッセンはいつも豪華版、肉は一人180g全部たいらげた。

10月14日
VSA発(8:50)=富山経由(コンビニ、ガソリン昼食釜揚げうどん)=親不知観光ホテル(12:40~13:30)=タクシー=北又小屋(14:30)

VSAは1泊、所定の任務を完了し、飛騨路から富山経由、親不知へ。富山郊外のコンビニで山中の昼食用パンを買い、ガソリン補給のあと、通りでみつけた釜揚げうどんの店に入る。丸亀製麺とあり、讃岐うどんの店でちょうど昼時だったのでおおにぎわい。うどんはおいしかった。親不知海岸の断崖の上にある親不知観光ホテル前の駐車場に車を置く。国道8号線を渡ったところが栂海新道の下山口(入口)になっている。朝日町からタクシーを呼んで北又小屋まで1時間、12,500円。小屋に着いたら丁度小屋閉めして下りてきた清水ゆかりさんたちの一行と出会う。熟年3人組をみて心もとないと思ったのか、山は雪だから気をつけてと心配そうに言われてしまった。北又小屋は北又ダムの堰堤の真上、いいところに建っている。やさしそうで、ちょっと意地も悪そうなひげの親父が一人でやっていた。今夜の客は我々3人だけ、2階の1室を占有、荷物があったら他の部屋も使っていいよ、と言ったがそんなに荷物はない。夕食は親父の手作り、なかなかの腕前のようで自家製ホタルイカの沖漬けをサービスしてくれた。おまけに日本酒をやかんで燗してサービス、自分は焼酎を飲みながら山の話をひとしきり、一年中ひとりだと言うから、よほどの山好きか変わり者、吾妻の慶応小屋の大柿さんを少しソフトにした感じだった。

10月15日
起床(5:00)北又小屋(6:30)~ブナ平(8:20~8:30)~イブリ山(9:55~10:25)~夕日ガ原上(11:25~11:35)~朝日平(12:10~12:30)~朝日岳(13:20~13:45)~照葉ノ池(15:35~15:45)~黒岩平(16:30)

朝飯は5時半に作ってくれる。温かいご飯と味噌汁がありがたい、弁当も頼む。天気はずっと良くて、明日まではいいらしいが、明後日は二つ玉か、気圧の谷が来るというので、その前に下りてしまいたいところ。6時半出発、小屋から少し下りて北又谷にかかる吊橋を渡ったところがイブリ尾根の取り付き。いきなり急登だがブナを中心とした広葉樹が明るくて気持ちのいい尾根だ。今日は朝日平に泊る予定だが、小屋が閉まると水場もトイレもなくなってしまう。水をどうするか悩ましいところだったが、朝日小屋の水を取っている沢が遠くないということなので、ブナ平から水をかつぐのはやめにした。イブリ山まで3ピッチ強、右手に毛勝三山から剣、前方には前朝日、朝日、長栂山、左手には犬ヶ岳の栂海新道の稜線が見える。イブリ山からは傾斜が落ちて楽になった。夕日ヶ原は池塘や草地が広がるいいところ、途中に水が流れる沢があり、ここでも十分水がとれる。朝日平に着いたら曇ってきてガスも出て、雪倉や白馬は見えなくなってしまった。ガスの切れ間に白い斜面が見えるので、結構雪が積もっているようだが、朝日平には雪はなかった。降ったけど消えてしまったようだ。ここまでいい調子で登ってきて、まだ時間が早い、この調子なら朝日を越えてどこか途中まで行った方がいい。幕営地はないが、小屋が閉まって誰もいないし、咎められることもないだろう。水は照葉の池とか池塘が多いし、黒岩平まで行けば沢がある。特に明後日の天気が下り坂だから、今日稼いで、明日栂海山荘のある犬ヶ岳を越えて白鳥小屋まで行っておけば安心だ。ということで衆議一決、予定変更、朝日を越えることにする。朝日の登りの途中に水の取り入れ口があり、ホースを外してあった。朝日岳頂上は今回もガスの中、展望がない。朝日岳の北斜面にはうっすら雪が残っていた。五輪尾根の道との分岐点の千代ノ吹上に栂海新道の入口がある。長栂山は平らな広い山、途中に照葉ノ池が2つ並んでいる。池と池の間は幕営には快適そうだが、キャンプ禁止と立て札が立っている。かまわずここで張ることも考えたが流れる水があるところがいいということで黒岩平まで足をのばす。長栂山からゆるやかな下り、アヤメ平にも池塘がたくさんある。このあたり平らだが結構長い、1900mの丸いピークを過ぎたところで、ようやく黒岩平が見下ろせるところまできた。もう少し行くと水が流れているのが見える、よしあそこだ、と足が速くなる。上からテント場のように見えたところはネットで土止めをして草が植えられている。どうやら往年のキャンプ地だったのか、草がなくなってしまったのかも知れない。他にどこかないかと見回すとその先の沢のほとりにテント2つ分ほどの平地があって、草が寝ているところがあった。ここも誰か張ったあとのようなので、われわれもここに張らせてもらうことにした。流れのすぐ脇でテント場としては申し分ない。遅くなって日が暮れてきたので食事はテントの中で作る。木邨特製ハヤシライス、自宅でペミカンを作ってくるというこだわりぶり。それに鯛の燻製を使った海鮮カルパッチョが秀逸だった。朝日平から黒岩平まで3時間半、最後はさすがにピッチが落ちて時間がかかったが、ここまでやってきて正解だった。指定地でないので広言ははばかられるが、快適なキャンプ地を発見でき、なによりここまで来ていれば明日以降が楽になる。夜は満天の星、天の川が近くに見える。

10月16日
起床(5:40) 黒岩平発(8:00)~黒岩山(8:30)~文子ノ池(8:55~9:05)~サワガニ山(9:45~10:05)~北又の水場(10:35~10:50)~犬ヶ岳(11:25~11:35)~栂海山荘(11:45~12:20)~黄蓮の水場(13:25~13:55)~菊石山(14:10)~下駒ケ岳(14:40~14:55)~白鳥小屋(16:10)

今日もいい天気、少し冷え込んで朝露がたっぷり、昨日の疲れか少々寝坊、朝食も餅がうまく焼けなかったりして時間がかかり、撤収もテント干しなどしたりで出発が遅くなった。黒岩平は広く、テント場の先にも大きくなった沢や池塘が点在している。黒岩山の頂上手前に中俣新道の分岐がある。黒岩山を過ぎると今までの伸びやかな高原から鋭角な尾根道になる。池塘も文子ノ池の1ヶ所だけ、あとは左右が切れ落ちた稜線が続く。100~200mのアップダウン、サワガニ山を越え、北又の水場も確認のため行ってみた。小さな沢だがいい水が出ている、往復5~6分。栂海山荘に泊るならここで水をかつぐことになるが、今日は白鳥山まで行くので次の黄蓮の水場で入れればいい。犬ヶ岳の頂上からは朝日から辿ってきた尾根が長々と見えるが、前方の白鳥山もまだけっこう遠い。栂海山荘には誰もいなかった。ここに泊る予定でさわがに山岳会の小野会長に連絡を入れてきたことでもあり、小屋の日誌に白鳥小屋まで行くと断りを書いて、1000円のカンパを置いてきた。栂海山荘から黄蓮の水場までは黄蓮山など登り下り含め400mほど下る。この途中で登ってきた登山者に会った。北又を出て以来初めて、一人で結構な荷物、プラブーツにピッケルまで持って雪山装備、どこまで行くのかな。黄蓮の水場はコルから3分くらい、急な沢の5mくらいの滝の上に出るようになっている。水量は豊富、ここで今晩と明日午前中の水、各自2+1リットルを補給。重たくなったザックをかついで菊石山、下駒ケ岳と越えていく。急な登り下り、天気がいい上に標高も下がってきたので少々暑い。しっかり汗をかいて白鳥山の頂上に着くと、まさにそこに小屋が建っていた。2階建てのしっかりした小屋、なんとなく人の気配がするので入口をあけてこんちはと声をかけると、やっぱり、2階から人が下りてきた。地元の人らしい、一人で2晩泊っていると言ってたが、何をしているのか不明。我々は1階を使わせてもらう、きれいな板の間で広さは十分、木の食卓もあり快適な小屋だ。早速夕食、今日はふぐ雑炊、高野豆腐のしいたけあんかけ、切干大根をつまみにブランデーのお湯割り。今晩も満天の星、下に青海の町の灯りがきれいだった。

10月17日
起床(5:00) 白鳥小屋発(6:35)~シキ割の水場(7:20~7:30)~坂田峠(8:15~8:35~(尻高山(9:10~9:20)~入道山(10:15~10:30)~国道登山口(11:25)~親不知海=岸糸魚川ひすいの湯 昼食楽々荘=糸魚川IC=帰京

小屋は暖かい、乾いているのがなにより、朝食はフリーズドライおかゆとマーボー春雨。これは手早く出来る。天気はまだいい、この分なら下りるまで降られることはないだろう。小屋を出て下り、シキ割の水場はなるほど複雑な地形の中にある。尾根が食い違ったようなところに沢が食い込んでいて、道が下ったり登ったり分りにくい。金時坂の急坂を下りると下に車道が見える。駐車場の車も見えて、間もなく坂田峠に着いた。立派な舗装道路が横切っていて、いざとなればここで車を呼べるが、今日はそんな必要はない、親不知の日本海まで完走は目前だ。坂田峠にはお地蔵さんがあり、そこにある案内板には昔は親不知のわき道で、青海の橋立金山へ泊の芸者が通う芸者街道でもあったと書いてあった。坂田峠からは裏山のような感じになったが、イヌブナらしい明るい林、太い大きな天然杉など色々な木がある。木立の向こうには青い海が見えるが、道はまっすぐ北に向かわず、北西へ迂回して親不知に出るようにつけてある。林の中の道は軟らかく足にやさしいのだが、この最後になって右膝が痛くなって曲げられなくなってしまった。あとわずかなので右足を引きずりながら歩いたが、どうしてこんなことになったのか。3日間よく歩いたけれど、腰痛をかばったためか、情けないことになってしまった。それでも無事、国道8号線の栂海新道入口に到着、駐車場の車も無事だった。駐車場の下70mの親不知海岸まで下り、波打ち際で記念撮影、日本海到着と言ったところ。ホテルにあいさつに行ったが誰もいないので、フロントにあったパンフレットに載っていた糸魚川日帰り温泉に向かう。ホテル糸魚川横のひすいの湯、新しく広くきれいだが1000円は高いな。お湯は無色だがなんとなくタールのような匂いがする。さっぱりしたあとフロントで聞いた「楽々荘」、民宿もやっている食堂に行き、刺身定食と白エビのから揚げ、なかなか美味かった。帰りは糸魚川ICから北陸道上信越道~長野道~中央道と回る。関越から圏央道というルートもあるが圏央道の料金が高いのと大谷が長野道の方が知っていて走りやすいと言うので松本回り。(あとで聞いたら料金はどちらを通っても同じ1000円だった)右膝が痛いので運転は全部大谷にやってもらったので助かった、感謝、感謝。高速を走っているうちに雨が降り出した、どうやら気圧の谷がきたようだ。まったくタイミングがいい、山の中ではいい天気に恵まれ、いい山歩きが出来た。特に黒岩平が良かった、幕営指定地でないので後ろめたい気持ちもあるがどこでも自由に歩き、泊れた昔がなつかしい。