1002ボルネオ、キナバル山

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1002ボルネオ、キナバル山

参加者   東野 良  片岡ひとみ  伊東 毅

2月22日
新百合発(8:10)=成田発(13:30)=マレーシア航空081=キタコナバル(8:55)プロムナードホテル

東野さんからヒマラヤ観光主催のボルネオツアー、キナバル山への誘いがあり、最初6人集まればという話だったが、希望者は3人だけ。それでも3人でもいいということになって仲間だけのツアーが実現。料金は16万8000円、2万円ほど割引らしいが安いのか高いのか不明。成田で3人落ち合い直行便でコタキナバルへ。夕方、到着直前、雲の上に浮かんだキナバル山が見えた。大きい山だ。空港に現地ツアー会社のガイドが出迎え、ネリさん、若い女性、日本語は上手だ。宿は海岸沿いのプロムナードホテル、山登りにはもったいないような立派なホテル。機内食があったので夕食はなしだが、少し腹が空いたのでホテルの隣にある海王城という中華に出かけた。店内に大きな生簀があり、泳いでいるかに、えび、貝、魚を選んで料理してもらう。少々辛めだがたいへんうまい。青菜炒め、ワタリガニのチリなど3品、ビールも合わせて約157リンギット約5,500円。無事ボルネオ入り、明日からの天気を祈って乾杯。

2月23日
ホテル発(7:30)=公園事務所・登山ゲート(9:50)~Lowiiシェルター(11:00)~2550mのシェルター(11:50~12:15)~ラヤンラヤン小屋(12:40)~ラバンラタンレストハウス(14:45)

朝起きたら窓からキナバルが見える。天気はよさそうだ。朝食は6時から豪華バイキング、洋食から中華まで品数豊富、味もよい。7時半にネリさんが迎えに来てワゴン車でキナバル国立公園へ。コタキナバルは海岸のきれいな街で、整備された道を東の山に入っていく。道路が谷間でなく尾根筋につけられているので眺めがいい。途中ビューポイントと称する展望台に寄る。谷をはさんでキナバルが正面に大きく見える。高く堂々たる山だ。公園事務所に着くと登山客らしいのが大勢たむろしている。これがみんな登るのかとびっくりしたが登らない観光客もいたみたいだ。われわれはガイドのペットラ君と合流、すでに手配済みだったのか首から下げるIDカードとランチボックスを受け取ってすぐに出発、登山ゲートに向かう。客が3人ということもあってかガイドとポーターは兼務。1人5kgまで荷物を持ってもらえるから、こちらは空身に近い。Tinpohon登山ゲートでは鉄の扉があり、門番がIDカードをチェックしている。出発点の標高は1867m、今日泊まるラバンラタレストハウスは3272mだから約1400mの登り、道はしっかり整備され、幅も広いので歩きやすいが、結構な急坂で、その分高度は稼げる。歩き出しは熱帯雨林だがそれほど暑くはない、日本の夏山という感じだ。林の中にぽつんぽつんと黄色や朱色のシャクナゲが咲いて、足もとにも紫の知らない花が咲いている。途中30分おきくらいに休憩所があり、水洗トイレがあるので女性にも便利だし、環境の面でもいい。2500mを越えた休憩所の上で昼食、お客の残飯を狙ってかリスがたくさんいる。でも黒くてずんぐりしていて、日本のようにかわいくない。ラヤンラヤン小屋の上でマシナウリゾートからの道が合流するが、こちらはほとんど使われていないようだ。ここから上は植生が変わって、なんとなく亜高山帯という感じ、白いこまかい花をたくさんつけた木が多い、不思議な木で下では頭上はるかな高い木だったのに標高が上がるにつれて丈が低くなり、ずっと上の岩場では矮生潅木のようになっている。道は花崗岩が増え、大きな岩の段差があったり、階段があったり、きつい登りだが、雲が出て日が射さないのが救いだ。道の脇に黒いゴムのホースがずっと続いている。太いのと細いのの2本、どうやら細い方が水で太い方は下水のようだ。小屋や休憩所の水洗トイレの排水を流しているようで、これはたいへんな設備だ。木が人の背丈より低くなってきたころ、今日の泊まり場の一角に到着、ここはわれわれが泊まったラバンラタレストハウスを中心に、客やガイド・ポーター用の宿舎が5つある。レストハウスではペットラ君がチェッキンの手続きしてくれる。無事到着を祝ってまずはビールで乾杯、レギュラー缶が20リンギット、マレーシアは回教国のためかビールが高い。まあ山の上だからと思ったが、下に下りても高かった。着いたときはガスがかかっていたが日没前になって晴れてきて、レストハウスの上の大岩壁が姿を現す。岩壁の上には奇妙な形をした岩峰に夕日があたり、赤く染まる。ドンキーイヤーズピークというらしい。明日はあの横を通ってさらに上に登るのだ。夕食はバイキング、米はインディカだが肉や豆のスープを混ぜるとおいしい。われわれの泊まったラバンラタレストハウスは10ベッド、20人収容となっているが、周りの小屋から食事に来る登山者が多く大賑わい。国は分からないが白人が多く、中国人や地元マレーシアなど東南アジア系、日本人も結構いて、われわれの部屋は全員日本人だった。部屋は2段ベッドが4つ、日本の山小屋と違ってゆったりしている。明日は800m登って2200m下る長丁場、出発は午前2時45分、起床は1時半の予定。

2月24日
起床(1:30)出発(2:45)~ロウズピーク(5:50~6:40)~ラバンラタレストハウス(8:10~9:25)~登山口ゲート(12:35)公園内レストラン昼食=コタキナバル・水上レストラン

7時過ぎにベッドに入ったが、なかなか寝付かれない。暖房が効きすぎて暑かったこともあり、結局ほとんど眠ったような気がしないうちに起床時間になった。軽く食事をして真っ暗な中、ヘッドランプをつけて出発。最初は大岩壁の右側の潅木帯を登る、急な登りで階段の連続。潅木がなくなると花崗岩のスラブに太いロープが伸びている。麻の20mmくらいか、フリクションで登れる傾斜だが、つかまった方が登りやすい。1ピッチほど登るとサヤサヤッ小屋、ここが最後のチェックポイントでやはり鉄の扉があって門番がいる。ここから先は完全な岩場で例のロープがルートを示している。空はようやく白みかけてきたが少し霧が出てきた。ドンキーイヤーズやアグリシスターズなどの奇怪な岩峰を右に見ながらトラバースした後、キナバルの写真と言えば必ず使われるサウスピークとの間のスラブを登っていく。最高峰のロウズピークはまだ遠い、先行した人たちのライトが列になって続いている。夜はまだ明けないので、ゆっくり登る。ロウズピークの頂上は登山者でいっぱいだった。雲が赤く染まって御来光がみられるかと思ったが、丁度太陽の出るところの雲の形が悪く、いまいちであった。それでも4095mのてっぺんに登って満足、霧はこちらまでは来ないで、ちょうどサウスピークの根元を洗うように流れていく。滝雲のようでなかなか良かった。この山は一つの大きな岩の塊のようで、広大な頂上台地の上にいくつもの岩峰が突き出ている。ロウズピークは大きな岩が積み重なった山でいまいち冴えないが、サウスピークやセントジョーンズとかセントアンドリュースとかドンキーとかアグリシスターとかマッシュルームとかたくさんの鋭いピークが立ち並んでいる。ちょっと日本では見られない、4000mを越えても熱帯だから雪は降らず雨だけだから氷蝕地形もない、面白い山だ。下りはスラブをフリクションでのんびり写真を撮りながら、それでも長いから足が疲れる。ラバンラタレストハウスに戻り、朝食ひと休みして長い下りにかかる。階段や段差の大きい岩の道で、登りも大変だが下りはもっと大変。膝に来るのでストックを使って衝撃を与えないようにしたが最後は右膝が痛くて曲げられなくなった。途中で雨が降り出し、スコールではないが結構な本降り、雨具をつけ傘をさした。この雨の中を今日もたくさん人が登ってくる。これは大変だ、明日晴れればいいが、我々はちょうどいいタイミングで登ったことになる。途中休んだところに眼鏡を忘れてきて青くなったが、運よく現地のポーターたちがみつけて拾ってきてくれた。これで3回目の眼鏡紛失事件である、老人化の進行が甚だしい、情けない。足を引きずりながらもやっと登山ゲートに到着、ネリさんが迎えに来てくれていた。公園事務所前でペッテラ君とはお別れ、この山は道がしっかりしているので技術的な意味でのガイドの必要はないが、入山者の管理と地元の若者の雇用という意味があるのだろう。国立公園だけあって周辺はきれいに整備されていて、一角にあるレストランで昼食。ここでもビールが20リンギット、高いので我慢、飯だけにした。コタキナバルに戻り、ホテルでシャワー浴びて一眠り、夕食は水上レストランの中華。これはツアー料金に含まれていてネリさんが案内してくれる。その前にナイトマーケットというのを見物、ガラスの宝石とかTシャツとか似たような店が多く、買おうという気にはならない。水上レストランは海ではなく池の中、舞台があって地元の踊りなどをやっている。食事はいまいち、香港の水上レストランもそうだが観光客を大勢入れるところは概して旨くない。それでも中国人の団体とかでずいぶん賑わっていた。
2月25日
午前中コタキナバル市内 昼食海王城 ホテル発(16:30)=コタキナバル発(19:15)=MH2631=クアラルンプール空港(21:40~23:35)MH088  

一晩寝たら足が張って痛い。あれだけの高度差、岩だらけの道だから当然といえば当然。帰るのは夕方だから午前中は市内見物、とは言っても天気がよくて暑いので、日陰を選びながら歩く。赤道に近いので夏冬の季節はなく1年中34~5度という暑さ。途中で暑さと疲れのせいか胸が痛くなった。いやな感じだったが、しばらく休んだらおさまった。あれはなんだろう、心臓だったら困るが。街から港の方へ行くとトタン張りのようなマーケットがあった。ココナツ椰子の実を山盛りに積んで売っているので、切ってもらってジュースを飲む。あまり甘くないがさっぱりしている、1個2リンギットアメ横のようにせまい通路に小さい店がぎっしり並ぶ一角もあり、ここでも宝石まがいの物や、民芸品などを売っている。不思議なことにこちらでは声をかけて売ろうとしない、観光地などではしつこくまとわりつく売り子がいるものだが、店に座ってにっこり笑うだけ。これはこれで少し張り合いがない。ひと回りして昼食は初日に行って旨かった海王城、昼は客がほとんどいない。ビールと青菜とビーフンとえびと魚の4品、300リンギット。いい値段だがやっぱり旨かった。4時半にネリさんが迎えに来て空港へ、帰りはクアラルンプールまで国内線、乗り換えて成田までの夜行便。ボルネオには特に土産になるものがない、現地の小銭が余ったので紅茶やチョコを買うぐらい。

2月26日
成田着(7:15)=新百合ヶ丘 帰宅

予定通り成田着、東野、片岡は仙台便に乗り換えなので空港で別れ、直通バスで帰宅した。思いもかけないボルネオの山、3泊5日という短い旅だったが面白かった。