1202 磐梯吾妻

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1202 磐梯吾妻

参加者  木邨光宏  内田正明  益崎健二郎  伊東 毅

2月15日 矢野口(6:35)=猪苗代駅(11:20)=川上温泉=裏磐梯スキー場~銅沼~中ノ湯~銅沼~裏磐梯スキー場=川上温泉 菖蒲苑(泊)

磐梯山百名山だがポピュラーすぎてこれまであまり食指が動かなかったが、雪の季節なら面白そうだと西吾妻と組み合わせたプラン。ところがこの磐梯山が意外に手ごわく頂上まで行けずに追い返された。
矢野口駅を出た時は湿っぽい天気だったが、南岸低気圧で北に向かうにつれて明るくなって山も見えてきた。磐越道を磐梯猪苗代ICで下り、猪苗代駅へ。ここで水戸から来る内田と待ち合わせだが、時間があるので駅前の食堂で腹ごしらえ、関東風のうどんがうまかった。4人そろってまず今日の宿、川上温泉の菖蒲苑へ、ここで木邨、益崎は宅急便のスキーや靴を受け取り、要らない荷物を預けて裏磐梯スキー場に向かう。今日は足慣らしをかねて磐梯山の北面を中の湯まで。裏磐梯スキー場は金土日のみ営業、今日は火曜だから誰もいない。1台もない駐車場に停めて、無人のゲレンデを登る。登ったところから銅沼の方に行く夏道を示す道標がある。曇り空だが磐梯山の北面、荒々しい爆裂火口の壁が雲間に見える。最初はほとんど平らな林を抜けてしばらく行くと銅沼の畔に出て、その少し先で昼食の2を摂った。そこからは右手の沢から磐梯山の北西尾根にある中の湯を目指す。尾根上の台地に出るところがちょっと急だったが、まずまずのピッチで中の湯に着いた。雪の中にいくつか建物があり、湯けむりが上がって硫黄の匂いがする。今は無人だが無雪期には温泉に入れるのだろう。今日はここまで、もと来た道を戻る。平らでどうかと思ったところも雪がよく滑ってくれて助かった。川上温泉菖蒲苑は木邨が見つけた民宿みたいな宿、ネットにホームページがあるのはここだけだったそうだ。小さいながらも乾燥室があり、客は我々だけだから十分、風呂は岩風呂、4人がちょうど入れる大きさ。湯は無色透明、硫黄の匂いはしない、石鹸も泡立つ。部屋は広く真ん中に炬燵、ストーブもある。風呂上りに軽く一杯やって、夕食、おかずがいっぱいで美味しかった。じいちゃんとおばあちゃんと娘か孫かやや若い女の人が一人、この3人でやっているようだ。満足して眠る。

2月16日 川上温泉=猪苗代スキー場=ミネロトップ(9:40)~赤埴山(10:30)~東尾根コル(10:50)~南東尾根ジャンクション(14:00)~桂沢右俣(16:20)~夏道尾根(17:00)~ゲレンデ下(17:15)=川上温泉菖蒲苑(泊)

今日は磐梯山、天気は曇り、北と南に低気圧があり、この辺はちょうど中間で穏やかな空模様になっているのか。でも磐梯山の頂上は雲の中、あの中は風が強いのかな。川上温泉から磐梯山の東側を回って猪苗代スキー場へ。ここは大きなスキー場で結構人がいる。木邨がパトロールハウスに行って登山届を出し、ミネロスキー場のゴンドラに乗り、さらにもう一つリフトに乗ってゲレンデトップへ。ここは標高約1250m、パトロール小屋の先の少し開けた斜面から赤埴山を目指す。標高差180mほど、やや薮っぽい林を抜けると木が小さくなって赤埴山の頂上、ここまで1ピッチ、まずは順調。ここから北西の尾根を磐梯山とのコルへ下りるのだが出だしが岩っぽく痩せているのでスキーを外し、イタリアンにして担いで下った。標高差7~80mの下り、コルは風もなく暖かいので昼飯の1を摂る。この先磐梯山の東尾根を登るのだがその手前に小さな岩のこぶがあるので、左側を捲いて尾根に取りつく。尾根の右側は爆裂火口壁に面して断崖になっているので左側の斜面を捲き気味に登る。最初は比較的広かったが、だんだん尾根がせまくなり、傾斜もきつくなってくる。1550mあたりから特に急になってきたが、まだ雪は軟らかいのでシールで登った。尾根の左側は桂沢の源頭、無木立の大斜面、そちらに入らないようにジグを切って行くが、1650mを越えたあたりで雪も締まってきたのでスキーを担ぎ、ツボ足で登る。南東尾根のジャンクションまであと4~50mというところ。ところがジャンクションの直前になって雪面に笹の葉が見えているところに来ると、ズボッと底なしにもぐる。ここは笹の斜面で雪が下まで固まっていない中空状態になっているようだ。これは登れないどころか下手をすると笹の間に落ち込んで出られなくなってしまう。右、左と試してみたがどこも同じ、しかたなく少し下降気味に南東尾根にトラバース、桂沢の最源頭だが雪は安定している。なんとか尾根に登れるところを探して南東尾根に這い上がった。もうすでに14時になっている。途中できょうは天気も悪いし、頂上は無理だなと思っていたが、こんなに時間がかかるとは想定外だ。南東尾根の頭にも達していない。頂上までは標高差100mちょっと、雲に隠れて見えないが、これで頂上を往復したら途中で日が暮れてリヒト滑降、ビバーク、遭難騒ぎになる。みんなが着くまでの間、これから下りるべき南東尾根を見下ろすと、この先はちょっとした岩場になっていて稜線通しは下れない、左をトラバースかと思ったが桂沢の最上部で傾斜がきつい、スリップしたら止まらない、2~300メートル落ちるだろう。我々のスキー技術ではちょっと危険だ。尾根の右は傾斜がゆるく広い斜面だが低い灌木帯でえびのしっぽ状の木で覆われている。これは滑りにくいが安全のためには仕方がない、この灌木を踏みつけ、押さえながら斜滑降、横滑り、キックターンを繰り返す。それでも少し下ると灌木帯の間に開けた斜面が現れたのでそこを滑って行く。ただ方角は大分南によって南東尾根からは離れて行く。このままではまずいので、100mほど高度を下げたところで左に左にとトラバース、薮をくぐり、ようやく1450m付近で南東尾根に戻った。ただ、地図を見ると南東尾根の末端は急な斜面で下手すると崖になっているかも知れないので、さらに左、桂沢の沢身に入る。このへんでは傾斜も緩くなり、我々が滑るのにちょうどいい傾斜になった。出来ればもっと左にトラバッテ赤埴山のコルからの右俣に入り、夏道尾根に戻りたかったが、途中で崖の岩場に出てしまったので、仕方なくまた桂沢の沢身に戻り、合流点の少し上でようやく右俣の沢底に下り立った。ここで16時過ぎ、約1220m、標高差480mを降りるのに2時間余り要した。ここからは夏道尾根にトラバース気味に登り返してゲレンデの最上部に出る。だがもうすぐ日没だ。急がなくてはならない、一息入れてシールを張って登りにかかる。ところが伊東のシールが横滑りして雪が入り、途中ではがれてしまった。ガムテープで応急修理してみんなのあとを追いかける。ようやく夏道尾根に登りついたところで追いついた。ここからゲレンデまでは標高差50mほど、やれやれだが暗くなる前にパトロールに連絡しないと、また騒ぎになってはまずいので、伊東一人先行する。ちょっと下るとゲレンデの一角、営業してないリフト、ゲレンデも圧雪してない、そこを飛ばしてさらに下ると下に動いているリフトが見えてきた。あそこまで行けばパトロールに連絡してもらえるだろう、とすっ飛ばす。リフト下り場に着いて係員に「下りてきました」と言ったが、ああそうですか、とあまりピンと来ない様子。それでもパトロールに連絡してくれると言うのでホッとして、ナイター照明のついたゲレンデをほぼノンストップで滑り降りる。結局、夏道尾根からゲレンデ下まで10分ちょっと、こちらの標高差は520m、条件が違いすぎるが速いものだ。パトロールハウスに行って無事下山しました、と報告したが、どうも反応がない。どうやら木邨が提出した時と人が代わって引き継ぎもなかったようで、我々の登山届も見てないらしい。これでは騒ぎになるはずもない、拍子抜けしてあとから下りてくる3人を待った。スキー場への登山届なんてそんなものかも知れない、パトロールの役目はスキーヤーの保護で登山者なんて関係ない、警察に聞かれたときに登山届を出させていた、というアリバイ作りじゃないかな。去年の神楽の時は宿泊先の和田小屋からパトロールに連絡が行ってしまった、森吉山の時もそうだが、登山者の動向を気にしているのは宿の人、ということになるらしい。すっかり暗くなったゲレンデを後に宿へ向かう車の中から念のため菖蒲苑にも電話を入れる。宿に着いたら18時前、さっと風呂に入って食堂に直行、ここでおつかれさまの乾杯となった。

2月17日 川上温泉=グランデコスキー場トップ(9:30)~西大巓(11:55)~ゲレンデ下(13:35)―川上温泉入浴=猪苗代IC=矢野口解散

今日は吾妻連峰、グランデコスキー場から西大巓・西吾妻の予定だったが、昨日の調子から西吾妻を回ると帰りが遅くなりそうなので、西大巓往復に切り換える。グランデコスキー場は東急系かな、そこそこ人は来ているが、昔のスキー場に比べたらガラガラに近い。リフト2つ乗り継いでゲレンデトップ、少し左に行くと新雪をかぶったトレールがあったので、それをたどる。天気は昨日よりよくなって晴れ間が広がり、対面の磐梯山の頂上が見え隠れする。トレールはところどころ新雪に埋まって見えにくくなるが、大体分かるし、まあ上に向かって樹林のあいたところを行けばいい。だんだん樹林が少なくなって樹氷になってくると頂上は近い。頂上直下には背はやや低いがなかなかいい樹氷群があった。西大巓の頂上はまあるく広い。右手、東側に西吾妻をはじめ吾妻連峰が連なり、北側は米沢盆地をはさんで山形の山が見えているのだが、遠くてどれが何だか分からない。しばらくするとスノーシューをはいた人が一人で登ってきた。話しぶりから地元の人か、何度も来ているようだった。下りは快適、やや重めのパウダー、最初は樹氷の間を縫って気持ちよく滑り、途中の陽だまりで軽く昼食、その下もまばらな樹林でゲレンデまであっと言う間に下りてきてしまった。あとはゲレンデを滑るだけ、面白くないが結構長い。川上温泉に戻り、菖蒲苑の風呂に入れてもらって帰途につく。内田はひと足早くバスで猪苗代駅に向かい、水郡線で水戸へ。あとの3人は那須高原のSAで夕食を摂って東北道を南下、特段の渋滞もなく矢野口駅に着いた。磐梯山は予想外に手強かった。登りも下りも想定以上に時間がかかっている。最初はそれほどでもないのだが、時間がたつにつれスピードが落ちてくる、老齢化ということか。天気も良くなかったから登れなかったのは仕方ないが、またひとつ課題を残した。