0801中の湯・焼岳

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0801中の湯・焼岳

参加者  木邨充宏   益崎健二郎   内田正明   伊東 毅

1月25日
矢野口駅北口(7:05)=調布IC(7:15)=韮崎IC(8:45)=塩尻北IC=中の湯温泉着(11:45~12:45)~南尾根1860m(15:00)~引き返し~中の湯(16:00)

中の湯から焼岳、4回目の挑戦。木邨、益崎と3人出発、内田はあとから現地合流。23~24と低気圧通過、関東も雪だったが明けて良い天気になり、道中、北ア、穂高もきれいに見える。山形村で買物して中の湯へ、上高地線の雪が気がかりだったがしっかり除雪して問題なし。着いてすぐ支度して偵察ラッセルに出発。雪が少ないのではと心配だったが、前日までの新雪が30cmほど、笹も埋まって量は問題ないようだ。新調のファットスキー、ハボックはラッセルにも強い、順調に高度を上げ、南尾根の急斜面を越え、傾斜が緩くなった樹林帯をさらに登る。その時、緊急事態発生、益崎の叫び声「わあ!スキーが折れた」。見ると締め具の取り付け部分にひびが入りソール側に折れ曲がっている。スキーの上面は完全に分断されていて、ソールの樹脂とエッジでつながっている状態。これはひどい、こんなのは見たことがない、昔のスキーはよく折れたが最近では珍しい、それも滑っている時でなく歩いている時に折れるとは。この板は去年買ったのだそうで、最初ディアミールを付けていたのを今年TLTに取り替え、さらにストッパーの不具合のため、それを取り替えるなど3回にわたって取り付け作業をしている。どうもその時のねじ止め作業に問題があったようだが、ここでは原因を言っている場合ではない。なんとかここから下って帰らなければならない、この雪でツボ足ではどれだけかかるか分からない。なんとかスキーをもたせるためガムテープを破断部分に巻きつけて応急修理、下りだが滑って衝撃を与えると分解してしまう恐れがあるため、シールを貼ったまま歩いて下りることにする。最初はおそるおそるだったが、どうやらそれ以上はひどくならずにすみ、なんとか下まで下りることが出来たのでホッとした。最悪の事態は避けられたが、さて、これで益崎はスキーなしになってしまった。明日はどうするかと思ったが宿でスノーシューをレンタルしているのでそれを借りて登ることにした。スキーと比べてスピードがどうかと思ったが、行けるところまででもいいだろう、一日温泉に入って待っているよりは。そのころ内田も到着、部屋はいつもの焼岳棟、温泉に入って一杯、ワイン、ビール、熱燗、明日も天気は良さそうだ。

1月26日
起床(5:00) 中の湯発(6:30)~南尾根台地2000m昼食1(9:20)~南尾根2180m(11:00)~
スキーデポ2320m(12:00)~頂上(13:00)~デポ(12:40)~林間2035m昼食2(14:35)~南尾根下コル(15:50)
~中の湯(16:10)

朝食は宿のおにぎり、部屋で食べて出発。天気はいいが寒気が厳しいのでヤッケの上下を着て完全装備。さて南尾根の登り、スノーシューの益崎は最後尾、3人のスキーのラッセルのあとを歩く、登りのスピードは問題ないようだ。3人のうち内田はテレマークスキー、登り重視で軽い昔のタイプのスキーだがシールの糊がへたっているようで、登り始めてすぐシールがはがれてしまう。ガムテープで貼り付けたが、歩いているうちエッジで切れてしまったので、さらに針金を巻きつけて補修するなど手間取り、最初なかなかピッチが上がらない。木邨は益崎の面倒をみているので、ほぼ伊東ひとりでラッセルすることになったが、セミファットのハボックのおかげでそこそこのペースで登って行ける。南尾根の急斜面を登りきり、日当たりのいい緩斜面で休憩、最初の昼飯をとる。日は射しているのだが、気温は上がらない。毛糸の手袋とオーバー手では冷たくて指先が痛い。ホカロンをオーバー手の中に入れたら少し暖かくなった。雪の状態は旧雪の上に新雪が20~40cm乗っているが、なじみが悪く不安定な状態で、時々雪がずれるズシンといういやな音がしたり、雪面に割れ目が入ったりする。いつもは南尾根の台地に登ったら右手上高地から登ってくる尾根の方へ捲いていくのだが、この状態では下堀沢の右岸、疎林の斜面が危ないので、南尾根を尾根通し登ることにする。前方に穂高の吊り尾根が見え、焼岳も南峰と北峰の双耳峰の間に噴煙が上がっている。振り返れば乗鞍、四ツ岳や猫岳の北面が見えるがルートはよく分からない。南尾根も登るにつれて樹林が少なくなってくる。なるべく木立のあるところをつないで登っていったが、30度くらいのちょっとした斜面に踏み込もうとした時、上の方でドスンと音がして小規模な雪崩が起きた。幅10mくらい、落差は40mほどか、落ちた雪の量も少なく先頭の伊東の足下には来なかったが、目の前の斜面がデブリで埋まった。見上げると立ち木が数本ある斜面がきれいに切れている。切断面の雪の厚さは40cmほどだろうか、注意して木立のある斜面を選んで登っていたからこの規模ですんだと言える。このあとも木のない斜面は避け、右へ左へルートを選び、雪の状態を確認しながら登った。幸い南尾根の西側を中心に針葉樹と樺の樹林が切れ切れにつながっていて、大きな雪崩が起きそうなところがなかったので良かった。このころから上空に雲がかかり、焼岳の頂上部分が隠れるようになってきた。今回GPSを腕に着けるホルダーを買って初使用、常に自位置、進行方向を確認出来るので有効だった。やがて樹林限界、風でクラストしているのでクトーをつけるが、すぐ斜面が急になり、クトーでは難しくなったのでアイゼンに切り換える。スキーはデポ、標高2320m、あと120mちょっとだ。ガスで視界がなく真っ白な斜面だがGPSで南峰目指して登る。特に急なところもないが、露出している岩の回りは雪が薄く穴があくので注意を要する。最後は雪のドーム、登りきると向こう側に噴火口の岩場が見える、一番高そうなところに小さな木の標識があったが、何も書いてないのか消えてしまったのか、ともかく頂上である。焼岳南峰2455m、4回目にしてやっと立つことが出来た。木邨・内田は5回目の挑戦である。続いて登ってきた3人と握手をかわし、写真を撮って早々に引き上げる。下りもGPSがあるし、かすかにアイゼンの爪あとが見える。無事デポに戻り、スキーをはいて下りに入る。スノーシューの益崎は先に下りる。スキーに追い抜かれるかと思い、必死に下りたようだが、後続の3人のうち内田が旧式の細いテレマークスキーに技術が伴わず転倒の連続で時間がかかり、一度も追いつくことはなかった。登り重視の軽いスキー、滑降の方は犠牲にしたということで止むを得ないが、やはり山ではアルペンスキーの方が無難なようだ。テレマークで悪雪をこなせる技術があれば別だろうが。下りも雪崩を警戒、台地まではほぼ登りのトレールに沿って滑る。雪はパウダー、快適である。途中、抱え込み、送り出しのターンを試みるがうまくいかない、やはりゲレンデで練習する必要がある。途中一回休憩、2回目の昼食をとり、さらに下降、最後の斜面は日当たりがいいのでサンクラストして重くなっていた。斜面下のコルで待っていた益崎と合流、中の湯へ到着。まずは無事下りてきた、今度こそは天気も良し、登れるだろうと思ったが、いろいろハプニングあり、雪の状態などあって簡単ではなかった。中の湯から標高差1000m、登り6時間、下り3時間、やっぱりなかなか厳しい山である。温泉に入って手足を伸ばす、指先がしびれて痛い、厳冬期オーバー手はミトンにすべきだった。今日は土曜日、上高地スノートレッキングのツアーが多く、温泉も食堂も賑わっていた。

1月27日
起床(6:00) 朝食(7:00) 出発(9:00)=分倍河原(14:00)=帰宅

今日は帰るだけ、朝風呂入って、ゆっくり朝食、ゆっくり出発、日曜日だが時間が早いので道路はガラガラ、80~90kmの経済速度で走り、双葉、談合坂で休憩、昼食はほうとう。宿願を果たし、各自いろいろあったが、とりあえずいい山だった。