0805戸隠山~高妻山

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0805戸隠山高妻山

参加者   伊東 毅
5月25日
新百合ヶ丘発(5:20)=調布IC(5:45)=八王子IC(5:59)=長野IC(9:00)=戸隠神社 そば徳善院極意=
鏡池・戸隠牧場など周回=キャンプ

梅雨入り前、前から行きたかった戸隠、単独で。天気が不順で迷ったが24~25の土日が崩れるということなので26日の晴れを期待して25~26にした。果たして25の朝は大雨だったが、この日は行くだけなので構わない。調布・八王子を6時前通過、花園まで早朝半額、花園から佐久まで通割1、佐久から長野まで通割2で計3850円、通常より2100円割安になった。雨の上がった長野市内のコンビニで食料若干調達して戸隠へ。時間はたっぷりあるのでまず宝光社参拝、長い石段、古寂びた社殿がいい。昼食は戸隠蕎麦、中社わきの徳善院極意という店。その前のうずらやという店が評判なのか行列が出来ていた。中社を参拝して鏡池へ、新緑がいい、戸隠山は霧の中、時々残雪の山肌がのぞくだけ。ここにはレストハウスがあり、大きな駐車場もある。この駐車場の隅に天幕を張れそうだ。次に鏡池から宝光社への道ぞいを探す。少し行ったところの山鼻のカーブのわきに5~6台停まれるスペースがあり、なかなか良さそうだ。さらにいいところがないかと奥社、戸隠牧場、大橋まで車で回る。奥社前の駐車場はにぎやか過ぎる。戸隠牧場のキャンプ場はひと張り3000円、一人だけではあほらしい。結局あまりいいところはなく、鏡池近くの2ヶ所のどちらかということになった。天幕を張るには時間が早いので駐車場で待っていたが、日曜日ということもあって、なかなか人がいなくならないので、宝光社よりの道路わきに張ることにした。こちらも時々車が通るが、夕暮れを待ってクルーガーのかげに3人天を張った。夕食はビールと焼酎少々、コンビニサラダとあご蒲焼缶、サラミをつまみに岳食のスパゲティ、食後はりんご。7時半就寝、戸隠は野鳥の楽園と言われる通り、鳥の鳴き声がしきりだった。

5月26日
起床(4:00)=奥社入口(5:45)~奥社(6:15)~五十間長屋(6:55)~八方睨(8:00~8:15)~九頭竜山の先(9:00)
~一不動(9:40~10:00)~五地蔵山(10:45~11:00)~高妻山(12:30~13:05)~五地蔵山(14:20)~
一不動(15:07)~氷清水(15:15)~戸隠キャンプ場(16:22)=奥社入口(17:10)=戸隠神告げ温泉遊行館=
新百合ヶ丘(22:45)

朝4時、小鳥のさえずりで目が醒める。朝食はヨーグルト、岳食のさけ雑炊、おにぎり、りんご。天気はまあまあか、山の方は相変わらずガスっているが、だんだん良くなるだろう。奥社前の駐車場に車を置き、トイレをすませて出発、奥社への参道に入る。月曜の早朝だがバードウォッチングの人たちが訪れている。このところ腰痛に悩まされていて、今日も歩き出しは脚の坐骨神経痛があったが15分も歩いたら痛みが消えてくれたので、この分なら大丈夫だろうとホッとする。まずは奥社に参拝、拝殿はまだ閉まっていて賽銭箱も出ていなかった。登山道入口のポストにカードを入れて山道に入るといきなり急登、ブナ林の中、ニリンソウがたくさん咲いている。他にエンレイソウサンカヨウショウジョウバカマなど春の花、樹上にはオオカメノキの白い花も。1ピッチで五十間長屋、そこから左に百間長屋、さらに次々に岩場、鎖場が現れる。傾斜が緩いので鎖に摑まらずに登れる。そろそろかなと思ったら、遭難慰霊碑があって蟻の戸渡りに出た。なるほど幅50cmほどのナイフリッジが30mほど続いている。リッジの上を立って歩くことも出来るが摑まるところがないので、少々恐ろしい。でも良く見るとリッジの左側にバンドとは言えないがスタンスがないことはない。それを拾ってトラバースしていくと、今度は右側に鎖があって、リッジ下のスラブをトラバース出来る。それが終わるとまた次のナイフリッジがあるので、こっちが剣の刃渡りだろうか、ここも同じようにリッジ下をトラバースして通過。振り返るとガスに巻かれてなかなか迫力がある。その先はほんのひと登りで八方睨だった。向こうに白銀の白馬が見える。西岳の稜線はまだガスの中、右手には高妻山がすっきりと立っている。立派な山だ、百名山に選ばれるだけのことはある。普通奥社から戸隠に登ったら一不動から牧場に下りるのが一般的で高妻山はもう一日かかることになっている。今回もどうしようかと思ったが、この姿を見たらなんとかして登りたいという気持ちが強くなった。まあ、一不動まで行ってまた考えることにする。八方睨から戸隠山は10分足らず、その先の稜線は樹林帯だが右側はすっぱり切れ落ちていて、目の下に奥社の屋根が見え、新緑の高原の中に鏡池が見える。まだ残雪が残っていて時々雪の上を歩く。また急峻なスラブが足下まで突き上げているところもあり、なかなか楽しい稜線だが、天気が良くなって暑くなってきた。でも一人だと速い、2ピッチ弱で一不動の避難小屋に着いた。まだ10時前、時間は大丈夫、高妻山を往復して来よう。小屋は入口の扉がなく開放状態、中は板の間と土間があって焚き火の跡があった。あまりきれいとは言えないが悪天時の泊りには十分使える。一不動からはちょっとしたピークごとに仏様の名前がついている。二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵、六弥勒、七薬師、八観音、九勢至、そして高妻山ピーク手前に十阿弥陀、さらに乙妻山にかけて十一阿閃、十二大日、十三虚空蔵となっていて、いかにも修験の山らしい。五地蔵山にかけての尾根にはシラネアオイがあちこちに咲いている。さわやかな紫色で好きな花の一つだ。1ピッチで五地蔵、六弥勒から尾根は西に曲がり、北に妙高、火打、焼山の雪の峰が見える。尾根の北側には残雪があり、道は時々雪の上を行く。この残雪の下りにかかったところで五地蔵に眼鏡を忘れてきたことに気づく。年をとるとこれだから情けない、取りに戻るには距離がありすぎる、まあ帰りに拾えばいいやと先を急ぐことにする。ここで高妻山から戻ってきた単独の男性に会う。戸隠牧場から登ってきたそうだ。さらにこの先高妻山の登りで若い男性が一人、この人は奥社から来たそうで、こちらが奥社に参拝している間に追い越して行ったらしい。高妻山の最後は急な登り、木の根、岩角を掴みながら登る。きついが効率よく高度を稼ぐので意外に短時間で頂上に着いた。ここにもう一人女性の単独行がいた、この人も牧場からだそうで、下りは五地蔵山の東尾根に新しく出来た道を下ろうかと言っていた。女性が下りていったあと、頂上で湯を沸かし、クラムチャウダースープを作る。途中暑くて水を大分飲んで、やや不足気味なので残雪を融かして水を補給した。30分余り休んで1時過ぎ下りにかかる。最初は何事もなく、残雪の斜面もグリセード風に快調に下っていたが、半分ほど下りたところで異変が起こった。両足のふくらはぎと太ももが急に硬直し、痙攣をおこしそうな状態に陥ってしまう。なんだなんだ、これは、山で脚が攣るなんていまだかつて経験したことがない。こんなとところで歩けなくなったら冗談じゃないピンチだ、まだアップダウンのある下りが3時間以上残っている。少なからず焦る。とりあえずスピードを落とし、そろそろと下って休憩。水分を補給する。塩分が欲しいがあいにく甘いものしか持っていない。こういう時のためのピンチフードも必要だと思ったがないものは仕方がない。暑くて汗をかいたので脱水気味になったのか、それとやっぱりオーバーワークか、しばらく休んで脚をマッサージ、なんとか回復してくれよと祈る思い。再び下降開始、ゆっくりゆっくり脚に負荷をかけないようにストックを最大限使って体重を支えるように歩く。どうやら本格的な痙攣は免れたようだが、もう一度なったら本当のピンチなので、恐る恐る下って行った。ようやく最低鞍部を過ぎ、今度は登り、ここもゆっくり、五地蔵山に着いた時はホッとした。ここからはほぼ下り一方、あとは足を引きずっても降りられるだろう。往きに休んだ五地蔵の祠の前まで来たが眼鏡が見つからない。このへんにあるはずだと思ったがいくら探しても見つからない。いやいや弱り目にたたり目、遠近両用乱視入りだからまた作り直し、大出費である。がっかりしながら一不動まで下り、ここから牧場に向かって下りる道に入る。下りだしてすぐ残雪が現れ、若い男女2人が軽アイゼンをはいているところに出くわす。雪は軟らかいし傾斜も問題ないのだが、まあ安全のためだろう。お先に失礼して下っていくと氷清水という水場があった。地図にある一杯清水とは場所が違う、少し下になるようで、一不動の避難小屋からはやや遠い。喉を潤し、さらに下っていくと大きな滝の上に出る。不動滝と言うらしい。ここは右岸に鎖がついていて、その下には大きなスラブの真ん中をトラバースする鎖場がある。岩は濡れていて鎖がないと結構な悪場である。道はこのように大洞川の沢沿いにつけられており、途中大きなデブリの上を通るところもある。今の季節はいいが積雪期は使えないルートだ。この下も道は沢にそって左右に渡渉を繰り返していく。雪融けの水が多いので道も水浸し、なかなか大変な道である。脚の方はバテテはいるがどうやら大丈夫、やがて道は沢から離れ、ニリンソウの群落を過ぎると間もなく牧柵があり、戸隠牧場に入った。白黒の牛がいる草原を抜けると昨日来た牧場入口のバス停に到着、やれやれである。バスは10分前に出たばかり、あと40分待ちだが歩くと30分かかるので次の17時過ぎのバスを待って奥社前まで帰ってきた。この後は中社の神告げ温泉遊行館で汗を流し、そばを食べて帰途についた。新百合の自宅到着は22時45分、帰りの高速も長野~碓氷軽井沢を通割1、碓氷軽井沢~東松山を通割2、東松山~青梅は普通料金、八王子~調布は深夜割引で計3950円、今回は効率的だった。朝5時45分に歩き出して16時25分まで10時間40分、そう格別長い時間ではないが、とにかく疲れた。このところの腰痛もあってトレーニング不足、冬の間スキーばかりで歩いて登り降りしてないので足の筋肉がなまったのか、いずれにせよ年をとったということだ。無理は出来ない。いろいろあったが山としては面白く、いい山だった。小学校の林間学校で初めて見た戸隠山、岩だらけの山にびっくり、感激した、その山にようやく登ることが出来た。高妻山もいい山だった。帰ってネットで調べたら五地蔵山の東尾根の新道は笹の根が滑るが沢と違って安全で高妻山への最短ルートのようだ。